Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
ページ:2
キサラ「単純にあいつらがやってることが許せなかったからかな、それに対抗するための所にいたかっただけだよ」
早口とも取れるような速度でパパッとキサラは口にした。
ディーノはその態度に違和感を覚えた。
ディーノ「本当か?」
ディーノは鋭い目つきでキサラを睨み付ける。
キサラはディーノと目が合い、ビクッと肩を震わせて、すぐに俯きながら口にした。
キサラ「そのディーノの目、嫌だよ・・」
ディーノ「・・・・すまない」
ディーノはそう言うとすぐにその鋭い目を止め、普段の何を考えてるか分からない状態へと戻る。
ディーノ「これ以上は深く聞かない」
キサラ「多分、これから先も話さないと思うよ」
ディーノ「?」
キサラはディーノに背を向ける。
ディーノはその背中から悲愴な気持ちを感じた。
キサラ「話したら・・・ディーノは私を軽蔑すると思うから・・・」
キサラは肩を僅かに震わせながらそう言ってディーノに背を向けたまま歩いていってしまった。
ディーノはそのまま、空を見上げる。
客室前の廊下でレイ、ルーギスはキサラとすれ違う。
レイ「あ、キサ・・ラ?」
ルーギス「どうしたんだ?」
ルーギスは心配そうな表情をしているレイに話しかける。
レイ「うん、キサラが泣いてた気がするけど・・気のせいかな」
ルーギス「甲板の方から来たな、行ってみよう」
そうルーギスが言うと二人は甲板へと向かう。
そこには船の手すりに腰を預けて空を見上げるディーノがいた。
レイ「ねえ、ディーノ、キサラが泣いてたみたいだけど何か知らない?」
レイがそう聞くとディーノは静かに口にした。
ディーノ「何なんだろうな、分からない・・」
空はそんなディーノの暗い気持ちとは裏腹に綺麗な青空だった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!