[携帯モード] [URL送信]

Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
ページ:1
ディーノ達はまた船に揺られている。
ディーノは甲板に出て、船に付けられている手すりに身を預けながら海を眺めていた。
今回は来たときとは別の船に乗っているため奇怪な事は起こらなかった。

ディーノは海を眺めてながら、リストの様子を思い起こしていた。

――リスト「レドムは僕の手練術の師匠(せんせい)で、僕の両親の自殺の原因を作った人ですよ」――

その時のリストの表情は複雑な思いが合わさっていた。
その人間の事は信頼しようとしているが、どうしても100%信頼できずにいるような、そんな様子だった。

その思いを読み取れた人間はあの場ではディーノだけだったが、船に乗ってからリストの様子は不自然だった。
プルルが声をかけても軽く返すだけ、レイがいじっても肯定してかわすのみ。

ディーノはそんなリストの様子に今まででは何も思わなかったのに、今では少し心に引っ掛かりを覚えた。

キサラ「ディーノ」

ディーノ「どうした?」

ディーノは後ろを振り返る。
もちろんのことだが、キサラが立っていた。

ディーノ「他のみんなはどうした?」

キサラ「みんな、それぞれの部屋にいるよ。リストだけどこか行ったけど」

キサラはどう答えればいいのか分からないかのように視線を泳がせながら、口にする。
ディーノは目を閉じて静かに言った。

ディーノ「あいつなりに思うことがあるんだろう。だが、一人でどこかに行ったりはしないさ」

キサラ「そうだよね、うん!ディーノがそう言うなら大丈夫だよね!」

ディーノは不思議だった。
ディーノはただ思ったことを淡々と口にしているだけだった。
であるのに、仲間は皆、ディーノの言葉に救われていた。非常に不思議な感覚だった。

ディーノ「そうだ」

ディーノは何かを思い出したかのようハッとして目を開き、キサラを見つめながら口にした。

ディーノ「キサラは何故、レジスタンスに入ったんだ?」

キサラ「え・・」

キサラの表情が一瞬、焦り、緊張、動揺、恐怖といったあらゆる感情を秘めたが、すぐに普段の明るい表情となり、それらの負の感情をディーノは読み取れなくなった。

キサラ「えっとね」

キサラは笑顔で記憶を思い起こす仕草をして、少し間を置いてから話を始めた。



[次へ#]

1/30ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!