Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
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「?」
ディーノは表情を変えずにキサラを見るが、不思議そうな顔であるとキサラには読み取れた。
「その・・・助けてくれてありがとう」
キサラは笑顔でディーノに言った。
自分でも不思議なくらいにディーノには無防備だった。
「ああ」
ディーノはそう答えると大剣を背負って何処かへ行こうとした。
キサラは慌てて呼び止める。
「何処へ行くの?」
ディーノはキサラに背を向けたまま立ち止まるが何も答えない。キサラはここが帝国属街ホドルムの近くであるということもあり、ディーノに話しかける。
「実はね、この近くの街に私が所属してる組織・・レジスタンスがあるの、行くあてが無いならそこに来てみない?」
キサラはまた笑顔でディーノに言った。
ディーノはキサラへと振り返り頷く。
「じゃあ、行こう!」
すぐに立ち上がり、自分の服に付いた草や土を払うキサラにディーノは言った。
「キサラ、どうして笑っているんだ?」
無表情に、無頓着に、ディーノは聞く。
キサラはその時に初めて自分が頬を紅潮させ、笑顔でディーノを見ていたことに気付く。
「な、何でもないの!・・・何でも」
キサラは、自分でも不思議に思っていた。
ただディーノはあらゆることに無頓着な為、何も緊張することはないからこうなのだ、と自分に言い訳することにした。
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