Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
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ルーギスは神殿の外、街の外れでレイと遊んでいるサルサの元へ行き、カーソの私室で聞いた話をする。
信じてもらえるかは半信半疑であったが。
しかし、サルサはまるでそういったことを悟っていたのかのように頷き、ルーギスに答える。
サルサ「分かっていました、あの方が何かに取り憑かれたかのようになってしまったのが」
サルサはレイと同じ長くて赤い髪を風で揺らしながらルーギスに言う。
サルサ「ルーギス、私達は逃げます。手配をお願いします」
ルーギス「アテはあるのですか?」
サルサ「供給街道に知り合いがいます。【レドム】という学者です」
ルーギス「学者?学者ではサルサ様とレイ様を守るには力不足かと」
サルサ「大丈夫、あの方はとても強い方で魔術と手練術の使い手ですから」
サルサはそう言ってルーギスに笑顔を向け、12歳のレイに向かって優しく告げる。
サルサ「レイ、これから旅行に行きましょう」
レイ「ほんとに!?いくいく!」
幼きレイは無邪気な笑顔を浮かべ、サルサとルーギスについていった。
ルーギスは自分の過去の知り合いなどと掛け合い、船から供給街道までの道と手段を手配した。
この逃走自体順調ではあったが、問題はテケル山の頂上付近で起こった。
頂上付近で待ち伏せされてしまったのだ。
元々、ルーギス達は隠れて逃げていたため、堂々と探し回っていたカーソの追手には追い付かれていた。
そして、見つからなくても先回りされていた。
何故ならこの場にいないカーソがサルサの知り合いは供給街道か娯楽の街にしかいないことを知っていたからだ。
そして、どちらに行くにもテケル山を通らなければならなかった。
ルーギス「カーソはいないのか?」
ルーギスが追手の人間に問いかけたが、答えない。
追手はただ一言。
「サルサとレイを渡せ」
と言ってきた。
ルーギスは二人を庇うようにして前に立つ。
ルーギス「断る。私はサルサ様に命を救われた。恩人をそう簡単に差し出すと思うか?」
「そうか」
追手の男は手をゆっくりと空へ向ける。
すると、周りを取り囲んでいた部下達が一斉に武器をルーギスに向ける。
そして、構えてくる。
ルーギスはゆっくりと地面へとしゃがみ、右手を地面につく。
「どうした?この数にビビって命乞いか?」
男が嘲笑する。
しかし、ルーギスの答えは違っていた。
ルーギス「いや、お前達がバカで良かった」
ルーギスはそう言うと地面についていた手に力を込める。
すると武器を構えていた追手達の態勢が一気に崩れる。
「貴様、魔術は使えないはずでは!?」
ルーギス「ああ、だから魔術は使ってない」
ルーギスはそう言うと、立ち上がり、背負っていた盾を掴み取り、盾の裏にある持ち手を引き抜く。
持ち手からは鎖が伸び、そのまま鎖を鞭のように振り回し、盾で周りの追手を薙ぎ払う。
ルーギス「サルサ様、レイ様を連れて逃げてください!」
ルーギスはそう言うと、追手のリーダーの男へと跳躍し、蹴りを入れる。
サルサはレイを抱えてその包囲網を抜け出すが、すぐにダメだと悟る。
サルサの目の前に漆黒の毛色の尾を3つも持つ怪物が現れたのだ。
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