Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
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六年前、ルーギスはこのレイゴッド教の親衛騎士隊の隊長であった。
そしてあらゆる人間の未来や過去の犯罪の犯人などを一発で見抜いてしまう【神】という存在が本当に絶対的で崇拝すべき強大なものであると思っていた。
だが、【神】がどこから来て、何を元に起動しているかは教祖であるカーソしか知らないという状況だった。
ルーギスの話では、レイは本当にその教祖カーソの一人娘だそうだ。
母親の名前もサルサであり、サルサはカーソが何を考えて【神】を崇拝するようになったかをカーソから聞いたことがなかったそうだ。
レイはルーギスや騎士隊にいる若者とよく遊んでいた。
それくらいしか遊び相手がいなかったからだ。
ある日、ルーギスが【神】の力を使いたいという人間が多数現れ、その旨をカーソに報告に行ったときだった。
何故かその日は【神】による占いは執り行われていなかった。
カーソの私室の前で会話が聞こえてきた。
自分が仕えている人物の部屋に聞き耳を立てるのは無礼な行為であるとは分かっていたが、何故かその時はそうした方がいいと思い付いたのだ。
聞き耳を立てると、中からカーソと通信機か何かでの会話が聞こえてきた。
カーソ「どういうことだ、【神】が動かないぞ」
???「え?だってよ、お前んとこから送られてきてないぜぇ〜」
カーソは軽薄そうな男と通信機で話していたようだった。
ルーギスは辺りを見て誰もいないことを確認すると聴覚を全開に研ぎ澄ます。
カーソ「まだ送れというのか!?」
???「質が悪いんだよ、信者風情じゃな」
カーソ「何?」
ルーギスは何を話しているか理解できなかったが、良い話という訳ではなさそうだった。
カーソ「質が良いのを送れば、【神】を長く動かす為の動力をくれるのか?」
???「ああ、向こう20年は行けるぜ、俺っち嘘つかない」
カーソ「誰を送ればいい?」
ルーギスは次に口にされる謎の男とカーソの言葉に愕然とする。
???「お前の妻サルサと娘のレイだ。特に娘はこの前見たとき、素晴らしい素養を持ってたみたいだしな」
カーソ「分かった、早急にお前達の実験施設に送ろう、その代わり、そちらも早く送れよ」
???「いいぞー、同時に交換する。また場所は追って連絡するぞー」
謎の男はただひたすらチャラチャラした感じで話していたが内容はとんでもなかった。
そして、カーソの返事も驚くほど淡々としていた。
ルーギスはすぐさまサルサとレイに知らせることにしたが、その様子を偶然通りかかった部下に見られ、カーソに報告されてしまう。
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