Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
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リスト「あの人達、僕らを殺すつもりだったんでしょうか?」
ディーノ「なかなか面白い歓迎だ」
ディーノは大剣を構え直し、正面を見つめる。
リストも目を凝らすが何も見えない。
だが、誰かいることだけは気配で分かった。
リスト「あなたは・・・」
リストがその人物が見える距離まで来ると驚く。
リスト「ルーギスさん!?」
ルーギスが一人歩いてきた。
敵意はなく、その表情は二人を心配しているようだった。
ルーギス「良かった、生きていたんだな」
リスト「どういう意味ですか?」
ルーギス「お前達を助けに来た。私についてきてくれ」
ルーギスはそう言って踵を返し、ディーノとリストに背中を見せる。
リストが警戒し、その背中を睨み付けるが、ディーノはリストの肩に手を置く。
ディーノ「あれほど無防備に背を向けるのはそれなりに覚悟がいるはずだ、だから信用してもいい。だが、信用できないなら俺を信じてくれ」
ディーノの声はやはり淡々としていたが、その言葉の重みをリストは理解し、頷きつつ言った。
リスト「まあ、ディーノさんの事は信用できるのでそうします」
リストはそう言って、ディーノと共にルーギスのあとを追いかけた。
しばらくしてルーギスが振り返る。
ルーギス「このまま街の外まで出るぞ」
そう言うルーギスの肩をディーノは掴んで言った。
ディーノ「神殿内に出る道はないのか?」
ルーギス「あるにはあるが、まさか助けに行くのか?」
リスト「逆に何故行かないんですか?」
そうやって冷静に口にするディーノとリストを見てルーギスは血相を変えて口にする。
ルーギス「やめておけ、死んでしまうぞ!」
ディーノ「?」
リスト「助けに行かないとプルル達が危ない目に遭うかもしれないんですよ!」
リストはルーギスの言葉に苛立ちを覚えるが、ディーノは違和感を感じ、ルーギスに尋ねた。
ディーノ「ルーギス、そろそろ話してもらおうか」
ルーギス「な、何をだ?」
ルーギスは明らかに動揺していた。
そんなルーギスの事など気にせず、ディーノは続ける。
ディーノ「お前はレイやこの宗教団体とどう関わっている?」
ディーノがそう言うと、ルーギスは首を横に振って普段目にしたルーギスとは思えないほど震えた声で口にする。
ルーギス「あんな、化物のような狂った連中に知られたら、今度こそ【殺される!!!】」
ルーギスの瞳孔は開き、汗も尋常ではないほどかいていた。
リストはどうするべきか悩んでいたがディーノがルーギスの肩に手を置く。今度は掴んでいない。
ディーノ「大丈夫だ」
ディーノがそう言うと、不思議とルーギスは落ち着いた。
ルーギスはハッとしてディーノを見るが、ディーノは普段通りの無表情だった。
ルーギス「分かった。話そう」
ルーギスはそう言って、昔の、【六年前】の話を始めた。
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