Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
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レイ「何する気!?」
レイが敵意むき出しでその男を睨み付ける。
男は胸に手を当て頭を下げつつ口にした。
カーソ「私はカーソ・プライザム。妻はサルサ」
そう言うとレイの表情は固まる。
キサラが肩を叩いても反応がない。
カーソ「探したんだぞ、レイ」
レイ「ぁ・・・ぇ」
レイは記憶の整理がつかず、表情を固めたまま、動かない。
カーソ「落ち着かないのも無理はないな、よし」
カーソは近くにいた信者に何かを伝えると、その信者はレイの近くにいたキサラやディーノ達に話しかける。
「レイ様のお仲間ですね。どうぞ、こちらへ」
低姿勢のその信者はディーノ達に道を指し示す。
兵士達は道を開け、真っ直ぐ神殿の入り口までの道が開く。
リスト「どうしますか?」
ディーノ「行くぞ」
ディーノはそう言うと、プルル、リーナ、キサラに伝える。
ディーノ「レイの傍にいてやってくれ」
キサラ「もちろん!」
リーナ「分かりましたわ」
プルル「うん♪」
そして、冷や汗をかき、震えているレイを支えながらキサラ達、女性陣が歩くのと同時にディーノとリストも歩く。
ディーノが先頭で殿(しんがり)はリストだ。
そして神殿の中に入ると目の前に巨大な立体ひし形の魔気石が奥にあり、手前には長椅子が綺麗に並べられており、既に何人かの信者が祈りを捧げていた。
「男性はこちら、女性はこちらへお願いします」
リスト「何故分けるんですか?」
「女性信者と男性信者で一旦部屋を分けているのです。どうかご理解を」
リスト「別に信者になる訳ではないのですが」
リストはそう言いつつも従わなければ、レイが落ち着くことが出来ないのは分かっていたので従う。
キサラ「ディーノ、レイは任せて」
ディーノ「キサラ」
ディーノはレイを支えながら行こうとするキサラを呼び止める。
キサラは一旦レイをリーナに預けてディーノに向き直る。
ディーノ「何かあれば、俺の名を呼べ」
キサラ「え?え!?」
ディーノ「必ず助けにいく」
いつも通りの淡々としていた声だが、キサラの胸は激しく脈打った。
キサラ「あ、う、うん」
キサラは紅潮する顔を見られないようにして頷く。
そして、男性と女性で部屋を別れた。
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