Tales of O-dinal(テイルズオブオーディナル)
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「・・・は何をしてるの?」
小さな少女がその人物に聞く。
その人物は口元を緩ませてこう言った。
「人が今より幸せになれるものを作ってるんだよ」
その人物は優しく少女の頭を撫でる。
少女は頬を紅潮させ、まるで子猫が喉を鳴らすように小さく鼻を鳴らせるようにして顔を綻(ほころ)ばせた。
「じゃあ、私、・・がそれを作れるように応援する、何でもするよ!」
そう言うとその人物は少女にこう告げた。
「なら、私の手伝いをしてくれ、もっと大きくなったらね」
少女はまたその人物に撫でられ、満面の笑みをその人物へと向けた。幸せなこの瞬間。
しかし、その見えている世界が滲み始めた。
「・・・・あれ?」
キサラは目を覚ました。
そこはリューマギ帝国から少し離れた場所。
帝国が支配下においている街、帝国属街ホドルムの近くであった。
キサラのすぐ側にディーノが立っていた。
キサラはディーノを見るが、まだ視界の端が滲んでいる。その時初めて、キサラは自分が涙を流していることに気付いた。
(なんで泣いてたんだろう?)
キサラはそう考えて首をブンブンと横に振り、側に立つディーノに声をかけた。
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