『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』 ページ:8 対戦相手が現れなかったのだ。 そして司会の男が闘技場の奥への道を指差し、開催者への道を示した。 バロン「罠のような気もするのぅ」 クロード「招かれてやろう、都合がいい」 クロードがそう言うと、二人は闘技場の奥にあるレバーを引くと鎖が巻き取られて足場が移動するエレベーターのようなものに乗せられ、上へ上へと上がっていった。 そして目の前に一際大きな扉が見えるとその扉を二人で押して開く。 すると目の前に魔物の姿が見えた。 牛のような顔にピンクのブツブツした身体、矢印のような尻尾を持ち、背中に翼を持つ魔物で手にはフォークのような武器を持っている『アークデーモン』が座していた。 《お前達、私の闘技場のルールを知っているか?》 クロード「お前の?」 《ああ、私の闘技場では本気の殺し合いをしてもらわなければならないのだ》 クロード「は?」 《お前達のやり方は生ぬるい、故に優勝はない》 バロン「いつから、お前さんのになったというんじゃ」 《魔王様が復活した時からだあぁ!》 アークデーモンはフォークのような武器を振り上げ、クロードに向かって突き出す。 クロードはその一撃を跳躍して回避し、フォークは床に突き刺さる。 その上にクロードが着地する。 《私は魔王様が誇る悪魔兵団団長アークデーモン!貴様らのような我らに害を為すものには死んでいただこう!》 クロード「お前、ソロア村から人をさらったか?」 《ソロア村?……ああ、あの村の職人はこの街の闘士の武器をより禍々しく危険なものに変えるために連れてきたのだ、奴ら手加減をしやがるからな、ケヒャヒャヒャヒャ!》 クロード「よし、話が早くて助かるぜ」 バロン「じゃな!」 クロードは一瞬でアークデーモンの背後に移動する。 そして、アークデーモンの背中の翼を2振りの小太刀で引き裂いた。 《!?》 バロン「前がガラ空きじゃな!」 バロンはアークデーモンの腹に『正拳突き』を叩き込む。 《ぐぷっ!?》 クロード「初めて使う武器だが、小太刀も悪くない」 クロードはアークデーモンの尾から背中を伝い、頭部目掛けて、小太刀を振り回して回転し、その体を切り裂く。 バロンはアークデーモンの顎を蹴り上げ、腰に携えていた爪を装着し、その爪に闘気を纏わせ、3連撃を喰らわせる。 バロン「タイガークロー!」 《ぎぃやああぁぁぁあああああ!!??》 アークデーモンは背中から倒れ、満身創痍のまま、クロードとバロンを見つめる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |