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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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ミリアはエルラントの西にある森の中で、その件の人物を探していた。

拓けた場所にたどり着いた時に、ミリアは殺気を感じ取る。

そして背後から何かが迫ってくるのを感じ取り、振り向きながら剣を抜き放つ。

その人物は全身を覆うマントと顔が全く見えないほどフードを目深に被っていて男なのか女なのかも分からなかった。

左手にはミリアの剣と似たような形の剣を握っていた。

ミリア「あなたは何をしているの?」

しかし、その人物は答えない。

ミリア「答えないと……酷い目に遭うよ?」

ミリアはそう口にするが人物は何も言わない。
そればかりか構えを解き、棒立ちとなる。

ミリア「!!」

ミリアは馬鹿にされたと思い、剣にギガデインを落とす。

ミリア「今ならまだ間に合うわよ?」

しかし、人物はあろうことか剣を投げ捨て背すら向ける。
そして両手を開いて肩をすくめる動きを見せた。

ミリア「こんのおおお!!」

ミリアは容赦なくその人物に『ギガソード』を叩きつける。
ただの八つ当たりに近いのだが、心が正常ではないミリアにはもう止められない。




「たくっ……」



その人物は振り向きざまに、マントを投げ捨て、腰に提げていた【オリハルコンで出来た刀】を抜き、『アルテマソード』でミリアの『ギガソード』を弾き飛ばした。

ミリアは剣を弾き飛ばされる。
剣はミリアの背後に突き刺さり、ミリアは尻餅をついてしまうが、そんなことよりも目の前の人物に空いた口が塞がらなかった。



クロード「馬鹿にしたつもりはないんだが、すまなかったな」


クロードが目の前に立っている。
そして彼はゆっくりとミリアに歩み寄ると手を差し伸べる。

クロード「ミリア、ただいま」

ミリアは震える手でクロードの手を取ると、クロードはミリアを引き起こす。

ミリア「クロー……ド…?」

クロード「ああ、俺だぞ」

ミリア「クロード!」

クロード「っと!?」

ミリアはクロードの胸に顔を埋める。
体重を掛けるとクロードはその瞬間に驚きはしたが、ミリアをちゃんと受け止める。

ミリア「クロード!クロードなんだよね!?」

クロード「ああ、ちゃんと俺だぞ」

ミリア「良かった……おかえりなさい……もう会えないって思ってたんだよ…」

クロード「お前をほったらかしにして、本当にすまなかった……」

ミリア「いいよ、もういいよ……帰ってきてくれたから!」

クロードは自分の目の前で泣きじゃくる少女の頭にそっと手を添えて撫でる。

ミリアの声を聞きつけたフリル達が駆け付けるとクロードを目撃する。

フリル「く、クロード!?」

バロン「クロードではないか!」

クロード「お前ら元気そうだな」

サヤ「クロード君こそ!」

全員がクロードを中心に駆け寄ってくる。
その中でクロードは仲間達を見渡す。

クロード「ミドリは?」

フリル「あ、えっと……」

ミリア「そうだ!」

ミリアは顔を上げる。
すぐ目の前にクロードの顔はあるが、そんなことは関係なかった。

ミリア「ミドリにも伝えなきゃ!クロードが帰ってきたんだもん!喜ぶはずよ!」

ミリアがそう言うとクロードは口にする。

クロード「いや、いい」

ミリア「え?」

クロード「エルラントに帰ろう」

クロードは冷たくそう言った。
ミリアはガッカリした表情で質問する。

ミリア「どうして!?クロードが帰ってきたんだよ!ミドリだって喜んでくれるよ!」

ミリアが必死にそう伝える。
フリルやバロンもミリアと一緒にクロードの説得を試みているが、クロードは首を横に振る。

その時、サヤが口元に手を当てて驚いている。

レイナートも驚きでクロードを見ている。


クロード「【あいつ】が帰ってきた喜びに比べたら俺との再会なんてさほどだろう?」

フリル「え?あれ、そういえば…」

バロン「クロード……お主……」

ミリア「あれ?」

そこでようやく3人も気付いた。



クロードの見た目は、いつもの白髪に紅い瞳だったからだ。





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あきゅろす。
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