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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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かつてコーガムの里は、コーガムという名前を持ってはいない。

ただ魔力と闘気を密かに磨く者達が集まっていたのだ。

その中でコードは生まれた。

彼女にはとてつもない魔力や魔法の才覚を持っていた。
彼女は将来を期待されていた。

そんな里にガムルという男がいた。
その男も里の中で優秀な闘気と武術の才覚を持っていた。


そんな中、コードの父親はあることを考えていた。
この里を更に大きくする為には、一人の最優秀な存在ではなく、複数のそれなりの優秀な存在だと。


故にコードの父親は、コードの子孫を残す為に、彼女が好意を持ってもいないような複数の人間と彼女を交わらせた。


彼女の意思も何も聞かず…。








子供を産めば次の子供を。


それを何年も繰り返されたコードは心が壊れ、放心状態となってしまった。


ある日、コードは産まれた子供を殺そうとした。

それを誰からも咎められ、その時、ガムルは初めて彼女を庇った。

そしてコードの父親、ガムルの親族達から煙たがられ、勇者アルスの同行者に押し付けられてしまう。

ガムルは呆れて何も言えなかったが、コードはこんな腐った思考の里から出られることに喜びを覚え、嬉々として里から出て行った。





旅の中、コードは自分こそが幸せを享受しなければならないと考え、傍若無人な振る舞いをしていたが、自分の事を毎度の事庇い、助けてくれるガムルに惹かれ始めた。

そこで初めて彼女は、誰かを愛するということを覚えた。

だが、やはり歪んでいた。
彼女の語り口からは、ガムルの愛は全て自分に注がれなければならないと思っているようだった。






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