『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』 ページ:3 クルス達が城に到着し、玉座の間へと到着すると空気が重かった。 アルギアは玉座で考え込んでいる。 周りにはミリア、クロード、レイナート、そして兵士が数名いる。 クルスがやってきたことにアルギアが気付くが、クルスは自分の見解を告げて良いか聞くとアルギアは頷いた。 そしてクルスは自分の考えを伝える。 自分が感じた。 【人間の魔力】の事を。 その内容を聞き、レイナートが質問をする。 レイナート「魔族をこちらに呼び出す呪文があるのですか?」 クルス「呪文というよりは、魔法だな。強力な魔力によって呪文とは体系の違う魔法で召喚…もしくは魔界に通じる道を開いたか…」 ミリア「そんな事……出来るの?」 クルスはそこで黙ってしまう。 全員がクルスを見ている。 即答で違うと言わなかった為、続きを欲しているのだ。 クルス「出来るよ」 その言葉に驚く面々だったがアルギアが口を開く。 アルギア「そう答えたってことは…クルスはその魔法を知っているのかい?」 クルス「あぁ…」 クルスはそこで言葉を区切る。 しかし、どれほど待ってもクルスは口を開かない。 アルギア「そういう懸念がある、ということを覚えておくよ。だが今すぐに何かがあるわけではないんだね?」 クルス「敵が姿を見せていないので何とも言えない、かな」 アルギア「そうか…レイナート」 レイナート「はい」 アルギア「もうすぐ、オルグ皇帝がご到着される。その話をしよう。今すぐ緊張状態にはならずとも警戒だけは必要だろうからね」 レイナート「承知致しました。港へお迎えに上がります」 アルギア「頼んだよ」 レイナートは一礼し、すぐさまオルグ皇帝の迎えへと向かう。 アルギアはミリアを見る。 アルギア「今日は好きにしていいよ、僕はこれからオルグ殿との会合だから」 ミリア「わ、私も…」 アルギア「大丈夫だよ、魔族が出てきた時にはお前やクロードに出てもらう必要があるからね。待機してて欲しい」 ミリア「わ、分かりました」 ミリアがそう答えるとアルギアは会合の準備へと向かう。 クルスはクロードの横まで行き、何かを呟く。 するとクロードはミリアに向かって口にした。 クロード「悪い、相棒と話したいことがある。ミドリと先に行っててくれないか?」 ミリア「え…う、うん」 ミリアはそのクロードの言葉を聞き入れてミドリと共に自室へと向かう。 クロードはクルスに目をやるとクルスは頷き、二人は中庭へと向かう。 [*前へ][次へ#] [戻る] |