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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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ミリア達の元まで戻ってくると、案の定、ゼルス先生もいた。

ゼルス「クロード、探したぞ」

クロード「手合わせですか?」

ゼルス「クルスから聞いてるようだな、どうだ?」

クロード「はい、受けて立ちますよ」

そう答えると、ゼルスから木刀を受け取る。
クルスはミリアの元に行き、魔力放出の助言を行う。

クルス「闘気と大体一緒だけど、魔力は放出の際に勝手に別の性質に変わろうとするからそれを抑え込む必要がある。魔力は呪文に変わるとき、イメージを持つことで炎や氷に変わるから、そのイメージを持たずに平常心に無心にやれば出来るさ」

ミリア「簡単に言うわね……よーし」

ミリアは深呼吸を二度して、左手から魔力を放出する。
魔力が放出される瞬間、頭に使い慣れた炎と雷のイメージが浮かびそうになる。
今まで無意識に火炎斬りや稲妻斬りを使っていたせいか、そのせいで勝手に体が魔力を感じたらそれらをイメージするようになっている。

ミリア「くぅ…」

クルス「はい、やめて」

クルスはそう言うとミリアの肩を叩く。
ミリアがハッとすると左手から僅かに炎の球が浮いていた。

クルス「力まずにな、繰り返していこう」

ミリア「うん」

ミリアはまた深呼吸をしてから、魔力放出に取り組んだ。

クルスが辺りを見渡すとバロンが近くの岩壁に向かって掌底破を繰り出そうとして途中で止めていた。
クルスはよく分からなかったが本人としては『正拳突き』になりそうで寸止めしているようだった。

レイナート「ミリア、落ち着いてください」

ミリア「え?」

今度は左手から雷を帯びた光球を出してしまっていた。
ミリアがまた深呼吸をして続けようとした瞬間、クルスが話し掛ける。

クルス「焦る必要はないんだぞ?」

ミリア「へっ?」

クルス「時間かかったって構わないさ、ミリアのペースでいいと思う」

レイナート「少し休憩しましょうか」

ミリア「あ、うん…」

ミリアはクルスに言われて気付いた。
心のどこかで早く覚えないといけないと焦っていたのは事実だったのだ。
そのせいで妙に力んだりしてしまっていた。

ミリアが草の上に座ると、ゼルスとクロードの手合わせが始まるようだった為、見ることにした。




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