『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』 ページ:10 復興途中のエルラント王国は、セワシア商会やサヤの働きで何人か人の手も入り始めていた。 瓦礫の撤去と同時並行で行われているのでなかなか進んでいないのが現状だった。 ジニー「あ、ミリアさん、クロードさん!」 ミリア達の元に復興の代表者になったジニーが駆け寄ってくる。 セワシア商会と連携したり、本人はモンスターパークを作る為に、復興を頑張っている。 ミリア「久しぶり」 ジニー「はい!お久しぶりです!」 ミリア「調子はどうかな?」 ジニー「少し前からセワシア商会の方が大工さんを連れてきてくれて建物の修繕に入ってくれたり、エルラント王国で新たに商売をしてくれる商人さんを呼んでくれたりしてくれているんですが……今ある建物はやっぱり全部撤去しないといけないので瓦礫の山を片付けるのが並行しててなかなか進みません……私のレムお(ゴーレム)とクスお(バトルレックス)が頑張ってくれてはいますが、2体しかいないので限界があって…」 するとジニーの足元でライムスライムのスラおがピョンピョンと跳ねる。 クルス「お前が『スラお』か」 クルスはスラおの前にしゃがみ込み、頭を撫でる。 スラ「くしゅぐったいよぉ…」 クルス「お前、今、僕が頑張るからって言ったけど、芳しくないみたいだな」 スラ「うぅ、僕はジニーの一番の友達だから、頑張るんだもん!」 クルス「一番の友達…か」 クルスはそう言って、魔法の鞄を漁り始めた。 ミリア「私達には、スラお君が『ピキー』としか言ってないけど、クルスには分かってるのよね?」 クロード「恐らくな、羨ましい限りだ」 ミドリ「スラおさんは、ジニーさんの一番のお友達だから頑張るって言ってましたよ?」 ミリア「へぇー………!?」 ミリアだけでなく、クロードも後ろでそう説明したミドリを振り返る。 ミドリは不思議そうに首を傾げていると、ジニーが横で答える。 ジニー「確かにうちのスラおはそう言いましたね」 ミリア「えっ!?ミドリ、なんで分かるの!?」 クロード「コツか!?コツがあるのか!?」 クルス「コツなんてねえよ」 クルスはようやく一つのホイッスルを取り出して口に咥えると、一気に空気を込め、その音を響かせた。 クルス「さてと、全員来るかな…」 すると、ダアトの方角から、ストーンマン、キラーマシン、キメラ、キラーパンサー、デビルアーマー、ぶちスライムが走ってきた。 クロード「あ、あいつらは!?」 ミリア「え、何?何!?」 するとぶちスライムの『ぶっち』がクルスの前で飛び跳ねる。 ブチ「お呼びかぁ?」 クルス「おう、復興を手伝ってくれ」 ブチ「いいぜぇ、でもよぉ、オレ様達だけじゃ変わらねえだろ、あのホイッスル使えよ」 クルス「『フレンドホイッスル』か?」 ブチ「そうそう、純真な奴ほど効果があるやつな」 クルス「だけどなぁ………」 するとクルスとぶっちは、ハッとしてミドリを見つめる。 それから顔を見合わせて口を揃えて声に出す。 クルス「いける!」 ブチ「いける!」 ミリア「クルスとぶちスライムが話してる…」 クロード「俺にはぶちスライムの『ぶっち』が『ピキピキー!』と言ってるようにしか聞こえない…」 そう二人が状況についていけてない時にクルスが先ほどとは違う金色のホイッスルを取り出してミドリに手渡していた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |