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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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その後、【クロード】はどれだけ暴力を振るわれても、罵倒されても反応しなくなってしまった。

【クルス】は、セレフとゼルスに頼み込んで、脱出を決める。


そして10年前のあの日。

魔王ギルオンが、エルラント王国を攻め、兵団がアクレプ皇国とセイタス帝国にも進行してきたあの日、コーガムの里の人間もアクレプ皇国からの要請で里の警備が手薄になった。

セレフとゼルスはその時を見計らって、【クロード】と【クルス】をこの何も理解しようとしない、過去の栄光に縋(すが)って現実を見ないコーガムの里から、二人を脱出させた。




そして、二人をラレリアからルレリアへと定期便へと乗せる時になって、ただ立ち尽くす【クロード】に【クルス】はこう言った。

「これからは、僕が……いや、【俺が】お前を守るよ。ゼルス先生から教わった剣でお前を守る。俺がお前の代わりに【クロード】になるから!」

そう言って、ゼルスから刀を受け取った。
【クロード】が呆然としているとセレフが頭を撫で、一冊の魔導書を手渡した。
そして【クロード】は泣きながらこう言った。

「僕…強くなる……友達を……守れるくらい………強くなる…コード様以上の凄い魔導師の【クルス】になる!」

そんな二人をセレフとゼルスは見届ける。
ラレリアの港にコーガムの里が到着した頃には、二人を乗せた船は既に姿が見えなくなっていた。

そして、セレフとゼルスは反逆者として修練の山に閉じ込められてしまった。






そして、10年後、【クロード】はクルスに、【クルス】はクロードとなって、ミリアの仲間となったのだ。




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