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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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レイナート、バロン、フリルがクルスとミドリの到着を待っている時。
バロンは言った。

バロン「ワシは少し行く場所があってな、すまん」

フリル「ちょっと…逃げるの?」

バロン「そうやもしれんな」

フリル「あんたねえ!」

そう怒りを向けるフリルを制止し、レイナートはバロンに向かって言う。

レイナート「大丈夫です、あなたは逃げ出すのではなく、何か考えがあるんでしょう?」

レイナートはそう言うが、バロンは何も答えずに定期便へと乗って行ってしまった。
その後、宿屋にて二人でクルスとミドリの到着を待ち、合流が叶った。



フリル「これから…どうするの?」

レイナート「魔王ギルオンだけでなく、大魔王インフェルノ、そして魔族のドゥルガ、ロゼク………勇者のアルギア」

ミドリ「強大な敵ばかりです…」

フリル「つーか、勇者のくせに悪い奴の味方になるとか有りなの!?ふざけんのも大概にしろっての!?」

レイナート「それはアルギアのみ知ること……私達にはどうしようもありません」

フリル「最っ低…」

そうやって3人が話しているとクルスは一人考え込んでいる。
ミドリが首を傾げながら聞いた。

ミドリ「クルス?」

クルス「勇者の力が頼れないなら、他に用意する必要がある」

フリル「何を?」

クルス「勇者の力は魔を打ち払う力、それを別の形で用意すれば勇者じゃなくとも大魔王達に対抗できるはず」

レイナート「それはどうすれば良いのですか?」

クルス「その記述を過去に見た事がある……だから、僕は……【コーガムの里】に行く」

ミドリ「!?」

ミドリがクルスのその発言に驚く。
ミドリだけじゃない。
レイナートもフリルも反応している。
クルスも重たい雰囲気でそう口にしていることから、いつもの余裕はないのが窺える。

クルス「僕一人で行くよ」

フリル「あんた、里の人間に追われてるんでしょ!?大丈夫なの!?」

クルス「だからこそ、だよ。みんなに迷惑をかける訳にはいかない」

クルスはそう言うと席を立ち、宿屋の部屋から出ようとする。
ミドリか咄嗟にクルスの腕を両手で掴むが、クルスは振り返らずにそのままの姿勢でこう言った。

クルス「レイナート、相棒がもし来たら伝えてくれる?」

レイナート「…………なんでしょうか?」

クルス「『10年前、先生と一緒に僕を助けてくれてありがとう。でも、やっぱり【クルス】は悪くなくて悪いのは【クロード】だったんだよ』ってね」

クルスはそう言うと、必死にクルスを掴んでいるミドリを振り払い、部屋から出て行ってしまった。

レイナートはその妙な伝言に疑問を持ちつつも、そのまま伝えることにした。




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