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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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パタ「あたしはパタ、剣士よ、お主に問う」

パタは自身を支える為に使っていたであろう杖をクロードに向ける。

パタ「お主はこの先の未来、自分にとって最も大事なものを守る為に己を犠牲にしなければならなくなる。その時、お主ならどうする?」

パタの突然の問いかけに後ろで聞いていたバロンは唖然としており、クロードはフッと笑みを浮かべてから答えた。

クロード「迷いなく俺は犠牲になろう。だが、必ず敵は排除する、俺は………」

そこで煉獄孔雀が吼え、バロンとパタは吹き飛ばされる。
クロードがなんと言ったかは聞こえなかった。
バロンはパタを抱えて、自らの体を盾にして壁に叩きつけられた。
ミリアとサヤが駆け寄ると、バロンは痛みに呻いていたが、パタは無事なようだった。

すると、パタはミリアの腕を掴む。

パタ「行きなさい」

ミリア「え…」

パタ「あの青年と共にな」

ミリア「何か分からないけど、クロード一人じゃ危険よね!」

ミリアはパタの手を優しく払いのけると、クロードと煉獄孔雀のいる方へと向かう。
クロードは煉獄孔雀と対峙しつつ、刀を頭上に掲げていた。


《ゲッゲッゲ、お前達には何も出来ない。何をしようとも私には敵わない。今まで数多の兵団を倒してきたようだが、私に勝つなどあり得ない》

ミリア「ライデイン!」

ミリアは煉獄孔雀の頭上から一筋の雷撃を落とすが、煉獄孔雀に効いている様子はない。

《ゲッゲッゲッゲッゲ!!!弱い!勇者の雷がこの程度とは聞いて呆れる!》

ミリア「クロード!」

ミリアは駆け寄りながらクロードの名を呼ぶが、クロードは刀を掲げたまま、微動だにしない。

《逃げもしない!死に急いだか!》

すると、勝利に、己に酔う煉獄孔雀に向かって、クロードは静かに口にした。


クロード「死に急いだのはお前だ」




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あきゅろす。
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