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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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ミリア「さ、出発しましょう!」

ミリアがそう言うとクロードとレイナートが後ろをついていくが、クルスは大きなため息をついた。
それを気にしたのかミドリがクルスの隣から彼の顔を下から見上げるように覗き込む。

ミドリ「クルス、大丈夫です?」

クルス「え、あ、えっと、平気だ…」

ミドリ「ミリアと何かあったんですか?」

するとクルスはミリアからの質問とホーライトでの事を思い出して、ミドリを直視できずに目をそらす。

ミドリ「クルス?」

クルス「お、お前は…」

ミドリ「??」

クルス「僕があんな弱々しく泣いて…情けないって思ったか……?」

クルスは目をそらしながら、そう言った。
口にしてからクルスは気付く。

僕は、何故そんなこと聞いてるんだ?

クルス「あ、いや、やっぱり答えなくて…」

クルスが慌てて質問を無かったことにしようとしたが、ミドリはクルスの右手を自分の両手で包み込むようにして握り、笑顔を向けながら言った。

ミドリ「そんなこと思ってないです。クルスはいつも仲間の為に頑張ってくれています。そんなクルスがあんな風に苦しんでいるのに…私は何も出来なくて本当に自分が情けないと思いました」

クルス「ち、違う…あれは!」

ミドリ「情けなくなんてありません。クルスが今まで頑張ってきた事は私がよく知ってます。クルスは優しくて強くて誰かを守ってくれる凄い人だって分かってます。弱々しく泣くほど辛い事があるなら私で良ければいつでも頼ってください」

クルス「ミドリ……僕は…」

するとミドリはクルスから手を離して、照れたように笑いながら口にした。

ミドリ「クルスの弟子でまだまだ未熟な私なんかでは頼りないですよね、えへへ…」

ミドリがそう言って笑っていると、クルスはミドリの手を取ってこう言った。

クルス「ありがとう!ミドリ!」

クルスのその笑顔を見て、ミドリはハッとして優しい微笑みを返す。
そこでクルスが首を傾げると、ミドリは微笑みながら口にした。

ミドリ「今のクルスの笑顔、とっても素敵です」

クルス「!!……み、ミドリだって…素敵……だ、よ…」

ミドリ「ふふ、ありがとうございます」

クルス「い、行こうか」

ミドリ「はい!」

二人はそのまま、【手を繋いだまま】ミリアの後を追いかけた。





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あきゅろす。
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