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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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クルス達が最上階に到達すると、何も無かった。

バロン「こっちは外れみたいじゃな」

ミドリ「ミリア達の方に戻りましょうか…」

するとサヤがハッと顔を上へと向ける。
クルスも同様だった。

ミドリが首を傾げている中、バロンがミドリを抱えてすぐさまその場から跳躍し、クルスとサヤの側に着地する。
ミドリは何が起こったのか分からなかったが、先程まで自分がいた場所に何者かがいることを見止めた。

その人物は白を貴重とした軍服のようなものを着ているが黒いフード付きのマントを羽織っているせいで見えにくい。
その人物は、銀色に光る剣を構えてこちらを見ていた。

サヤが咄嗟に算盤を取り出し、その人物を睨みつける。
サヤの瞳に無数の数式が描き出されるが、そこでサヤは理解する。


サヤ「逃げましょう!」

バロン「何故じゃ!?」

サヤ「あの人は、【私達より遥かに強い】です!」

サヤが言い終えた瞬間、その人物が向かってくる。
バロンが応戦するために回し蹴りを行うが、音もなく、その人物は飛び、バロンの勢いのある蹴りを手で掴み、捻って投げ飛ばした。

バロン「なんじゃと!?」

バロンは壁に叩きつけられそうになるが、態勢を立て直し、壁を蹴って三角跳びのようにして跳躍し、その人物に拳を突き入れた。

すると今度はその人物は真っ向からその拳を受け止めた。
体や筋肉は明らかにバロンの方が上だ。

クルスぐらいの細身の体で全くの怪我も反動もなく、受け止めたその様は異常のそれだった。

バロン「ぐっ!?」

人物の蹴りがバロンの腹部に刺さる。
バロンが2、3歩後ろに下がった時、人物は銀色に輝く剣でバロンの肩を切り裂いた。

バロンがその場に膝をつく。
人物がバロンの目の前で剣を振り上げていると、突然どこからともなく濁流のような勢いのある水流が、その人物に襲い掛かるが、その人物は後ろに跳躍して回避する。

クルス「ザバラ!」

クルスは再度水流の呪文を放つが、その人物は剣でその水流を弾き飛ばした。




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あきゅろす。
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