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『ドラゴンクエスト ─運命に抗う者達─』
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たくさんのドラゴン系のモンスターがゆっくりと歩み寄ってくる。
その中心に、赤い鎧を身に纏った人型が見える。
側には赤い翼竜が控えていた。

レイナート「ミリア、あの鎧の騎士が竜魔兵団のボス、リュウゲンナイトです」

ミリア「分かったわ、任せて」

ミリアがそう答えると、リュウゲンナイトが立ち止まる。
それと同時に魔物達も全員足を止める。

《そちらは勇者とお見受けするが、間違いないか?》

ミリア「そうよ」

《勇者の仲間が悪魔兵団を、勇者が海魔兵団を倒したと聞き、我々は貴様ら勇者を排除しなければならない》

ミリア「そうね、だってあなた達は私達人間に危害を加える。だから私はみんなを助ける為に戦わなくちゃいけないからね」

《だが、卑怯なことはしたくはない。私も騎士の端くれ、勇者と正々堂々一対一での戦いを申し込む》

それを聞き、ミリアは左右に並び立つ仲間達に視線を送る。
クロードが真っ先に答える。

クロード「罠だろうな」

レイナート「私もそうだと思います」

バロン「サシでやりたいのなら配下など連れてくるはずもないからのぅ」

ミリア「そうよね……」

そうやってミリアが悩んでいると、リュウゲンナイトが切り口を変えてきた。

《なるほど、一対一の正々堂々とした戦いではなく、仲間に頼った集団での戦いをお望みかな?》

ミリア「どういう意味?」

《勇者は一人では戦えない臆病者だという事だ》

ミリア「な、なんですって!?」

《これは我らの仲間全てに通達し、世界に流布せねばな、勇者レミリアは一人では戦えない臆病者だと》

ミリア「だから!……ミドリ?」

ミリアの隣からミドリが前に出てリュウゲンナイトを睨みつけ、ミリアの代わりに答える。

ミドリ「一人で戦うのが勇者じゃありません!」

《なんだと?》

ミドリ「仲間を頼っても構いません!でも一緒に戦ってお互いを信じて戦い、みんなを導くのが勇者です!一人で孤独に戦う者は勇者じゃありません!」

《ほう?ではなんと言うのだ?》

ミドリ「そ、それは……」

それ以上言えずに止まるとリュウゲンナイトが口を開きかけた瞬間、他の仲間が割って入る。

クルス「そういうのは勇者や英雄気取りのただの大馬鹿野郎だ」

フリル「ていうか、あんた、サシでやりたいって言うくせに部下をたっくさん連れてきてるじゃない。そういうのはいいとか思ってるの?」

《私のは仲間ではない、配下だ》

フリル「結局、屁理屈なわけねぇ、ため息しか出ないわ」 

するとサヤがムチを地面に打ち付けて、ミリアを見る。

サヤ「では、あの方の流儀に従いましょうか」

ミリア「え!?」

サヤ「あの方の流儀に従って、私達も【人の話を聞かないことにしましょう♪】」

そう言うと、仲間達がそれぞれ吹き出すように笑う。
ミドリとミリアの二人だけがポカンとしているが。

《貴…様ら!!》

ミリア「そうよね……みんな、行こう!」

ミリアのその声にレイナート、バロン、クロードが走り出す。
リュウゲンナイトが槍を突き出すと魔物達も走り出して南門を突き破ろうと向かってきた。




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