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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
9月10日(水)
体育祭ほど面倒なものはない。
なのに晴天である。

赤と白に別れて競い合う。

そんな時間。

渉は真面目に楽しんでいた。
こんな風に真剣に楽しんで体を動かすのがとても嬉しいと感じたからだ。
ナギサと出会い、ペルソナに覚醒してからは体を少しは鍛えて継続しているが、純粋に体を使ってスポーツを行うのは体育の授業以外はこれが初めてだったので、渉は楽しげだった。

そんな中、一人、妙な格好をした男性を見つける。
9月とはいえ、まだ暑さの残る季節だ。
なのにかなり厚めの服装だった。
渉が目で追おうとするが、人々の応援や喧騒に紛れてしまい、すぐに見えなくなってしまった。

諦めて自分の競技に取り組んだり、仲間達の参加している競技の応援をすることにした。
奇跡的なのか因果なのか、渉と仲間達は全員赤組だったのだ。


まずは渉、玄治、暦翔の騎馬戦

ハチマキを取るのは渉、玄治が猪突猛進に駆け回り、それをクラスメイト二人が支える。
渉は防御を強めにして堅実にハチマキを奪うが防御に集中したせいか、渉達赤組の騎馬がほとんどいない。
しかし、同じ赤組の暦翔の騎馬と協力し、難なく勝利していた。


阿莉愛は徒競走に出ていた。
一位とまでは行かないが、二位を得ていた。
彼女が走っていると男子達が何故か阿莉愛を見ていたが渉には理由が分からなかった。


寛太は全学年混合紅白綱引きをやっていた。
無論赤組の寛太は最後尾で綱を引かれないように耐えていた。
白組の最後尾はとても体の大きい相撲でもしているのかという体型の男子だった。
しかし、寛太は少し地面に足をめり込ませているんじゃないかというくらいの力で踏ん張り、僅差で勝利を得ていた。


1年生の女子は借り物競争だった。
結菜がお題に目を回していたが、渉と玄治の所まで来ると二人に手を差しのべた。

渉「わ、分かった」

玄治「ふふん、俺を呼んだか」

そして結菜は一番でゴールをした。
スタートの合図を出した生徒がマイクを持って結菜にお題を聞くと、結菜は最初に渉を指差し、その後玄治を指差して言った。

結菜「『頼れる先輩と頼りない先輩』ってお題でした」

玄治「ちょっ!?俺が頼りないだと!?」

渉「頼れる、か…結菜にそう思われたら悪い気はしないな」

二年生、特に渉のクラスからは笑いが起きていた。
自信満々で付いていった玄治があの扱いだった為だろう。
4番目くらいに魅奈がゴールをした。
そこには暦翔がいた。
お題は『家族』だったそうで、魅奈から暦翔との絆を渉は深く感じた。


真弥は障害物レースに出ていた。
今回障害物は何を血迷ったのか、泥でぬかるんだ場所や三角坂といった某サスケのようなものになっていた。

暦翔「これ作った人は馬鹿だろうね」

渉「これ、怪我人出るでしょ…」

しかし、真弥は難なく全てをこなしていく。
鬼気迫る勢いに渉達の応援の熱も上がっていく。
トップでゴールした真弥はこう口にした。

真弥「もう少しキツいものが良かった」

と、渉は「いやいや、やめてよ」と小さく呟くのだった。


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あきゅろす。
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