『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
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渉とナギサが手を繋いで出てくるところを誰も見ていなかった。
何故なら真弥と阿莉愛が未だに獣がいるだなんだと騒いでいたからだ。
渉はその説明をすると、真弥は「わ、私は分かっていたぞ」と本当に分かっていたのか怪しいことを言っていた。
阿莉愛は素直にその話に納得していた。
寛太「最後は玄治一人だ」
阿莉愛「行ってきなさい」
玄治「へっ!最速で戻ってきてやるよ!」
玄治が胸を張ってみんなに答えていると暦翔が懐中電灯に何かをしていた。
渉「何してるの?」
暦翔「ああ、電池を一番古いものに変えてるんだ、数十秒で切れると思うよ」
渉「えぇ…」
そして暦翔は何食わぬ顔でその懐中電灯を玄治に渡した。
玄治は何も疑わずに洞窟の奥へと消えていった。
結菜「このままみんなで帰りませんか?」
魅奈「賛成です☆」
阿莉愛「そうね、玄治なら大丈夫でしょう」
渉「さ、流石にそれはやめてあげよう!?」
暦翔「女性陣はせっかくお風呂入ったのに潮風で髪がベタついちゃうだろうし、先に帰ってもいいよ」
寛太「そうだな、何もないだろうがみんなを一度宿に送って戻ってくるぞ」
渉「寛太、ありがとう」
寛太「気にするな」
そしてその場には渉と暦翔の二人が残され、玄治の帰りを待っていた。
渉は暦翔に声をかけた。
渉「あ、あのさ、レキ」
暦翔「ワタル?」
渉「ちょっと、相談に乗って欲しいんだけどさ」
暦翔「ん?…いいよ、何かな?」
渉「お、俺さ…」
暦翔「うん」
渉「ナギサの事が……す、好きなんだよ」
暦翔「くっ…」
暦翔は少し笑う。
渉は顔を赤くしながら怒りを少し見せる。
渉「な!?わ、笑うなよ!」
暦翔「いやいやごめん、ワタルが僕に恋の相談をするなんて思わなくてさ」
渉「なんだよ…」
暦翔「でもワタル」
暦翔は急に真剣な表情になり、渉を見る。
暦翔「ナギサは、どこの誰かも分からない人だよ、たとえどんな人間だったとしても君は受け入れられるのかい?」
何故か渉は暦翔のその言葉には強い力を感じた。
だが、渉の中で答えはもう決まっていた。
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