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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
ページ:7
渉「あの二人、大丈夫かなぁ?」

渉が心配したのも束の間、真弥が一人全力疾走で引き返してきた。
そして遅れて阿莉愛も走って戻ってきた。

渉「えっと…大丈夫?」

真弥「こ、怖くはなかったんだ!?本当だ!」

阿莉愛「なんか遠吠えみたいなのが聞こえたのよ…」

そう言っていると玄治や結菜が二人をからかい始めた辺りで、渉は暦翔から懐中電灯を渡される。

暦翔「はい、お漏らししないようにね」

渉「俺は別に怖がってないよ」

渉はナギサと一緒に洞窟へと入る。
ナギサは特に怖がっている様子はなかった。
渉が足元を懐中電灯で照らすと苔などが生えていたため、ナギサに言う。

渉「ナギサ、苔とか生えててうっかり踏んだら滑るだろうから気をつけて」

そう言った矢先ナギサが滑って体勢を崩した。
渉が慌てて手を取り、彼女を支えた。

ナギサ「ありがとうございます、渉さん」

渉「あ、ああ…このまま行こうか」

渉はナギサと手を繋いだまま、足元に気をつけて進んでいく。
しばらく歩いていくと社があり、木札が置いてあった。

ナギサ「これを持って帰ればいいんですね」

渉「ああ」

すると二人の後ろ、通ってきた穴からグオオオ、と獣の遠吠えのようなものが聞こえてきた。

渉「!?」

渉は咄嗟に振り向きながら、ナギサの肩を抱く。

ナギサ「な、なんでしょうか?」

渉「分からない、けど大丈夫だからな」

渉はナギサを抱く手に力を込めて言った。
もう一度その遠吠えが聞こえてきた辺りで渉はハッと気づく。

渉「大丈夫だよ、ナギサ。これは風の音だ、風が吹いて勢い良く中に吹き込んでこの社があるここで反響して遠吠えみたいに聞こえるみたいだ」

渉はそう言ってナギサを離す。
ナギサは笑顔で渉に言った。

ナギサ「渉さん」

渉「ん?」

ナギサ「ありがとうございます」

渉「え?これくらい別に…」

ナギサ「いえ、違います」

渉「へ?」

渉には分からなかった。
他に彼女から感謝されることなどあっただろうか?
何かあったかと考えているとナギサが答えた。

ナギサ「私を信じてここまで来てくれてありがとうございます、仲間もたくさん出来ました。それに私を外に連れ出して頂いて、とても嬉しかったんです」

渉(ああ…そうか……分かったよ)

ナギサ「これからもよろしくお願いしますね、渉さん」

ナギサは渉の手を取り、出口へと向かう。
渉は彼女に手を引かれながら、その後ろ姿を見て、ようやく気が付いた。


渉(俺は……君が好きなんだよ…ナギサ)





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