『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
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海で一通り遊び終わった面々は夕暮れには民宿へと戻った。
とりあえず、疲れを癒やすためにお風呂に入ることとなった。
渉「俺、誰かとお風呂入るの初めてだから楽しみなんだよな」
暦翔「背中の流し合いでもしようか」
寛太「男同士、裸の付き合いで友情も深まるからな」
四人はしっかりと頭と体を洗ったあと、露天風呂があるそうなので、露天風呂へと入る。
渉「ふー…」
寛太「疲れが抜けていくようだ」
暦翔「二人とも、気が緩んでるね」
渉「いや、だってみんなとの旅行、俺、楽しみだったし!」
寛太「俺もダチとこういう事をするのは初めてだからな、楽しみだったぞ」
暦翔「白状するよ、僕も楽しみにしてた」
3人がそうやって笑っていると一人足りないような気がして、玄治を探すと、玄治が女湯側の露天の方を見ていた。
そこには編まれた竹の柵があり、一筋縄では行かなさそうだ。
暦翔「玄治、覗く気じゃないだろうな」
玄治「この先は男のロマン、誰にも邪魔はさせない」
玄治は何故か一番のキメ顔で親指を立ててくる。
これは面倒なことになるぞ、と渉は直感で理解する。
寛太「あの馬鹿が」
渉「流石に止めた方がいいよね?」
暦翔「同級生や先輩後輩の裸ももちろん悪いが、僕の妹も向こう側にいるって分かってやってるよな、玄治は」
寛太「分かってないから覗くのだろうが」
3人は湯から上がり、玄治を捕まえようとするがすでに玄治が柵を登りきろうとしていた。
暦翔「玄治、こら!」
玄治「うるせえ!この先にはパラダイスがあるんだ!」
寛太「馬鹿、やめろ!」
寛太が玄治の足を掴んだ。
玄治は必死に抵抗して振り払おうとする。
反対側の足を暦翔が掴んだ。
玄治「うおおお、俺は負けんぞおお!」
玄治は謎の底力で柵から手を離そうとしない。
渉はどうするべきか考え、寛太と暦翔に耳打ちする。
暦翔「そうだね、それなら怒られないかもね」
寛太「渉は俺達のリーダーだからな、乗った」
何をするかと言うと、寛太と暦翔が玄治の足を引っ張る。
そして玄治が抵抗のための力を目一杯込めた時だった。
暦翔と寛太が手を離す。
すると勢い良く玄治に力がかかり、玄治は倒れる。
そして渉、暦翔、寛太は湯に浸かり、女湯に背を向けて無関心を決め込むことにしたのだ。
だが、一つ誤算が起きた。
玄治が勢いのまま、女湯に飛び込んでしまうという筋書きだったのに、玄治が柵ごと女湯に倒れ込んでしまったのだ。
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