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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
7月25日(金)
終業式。


校長の話が面倒だと感じる。


そして諸々のものを受け取り、学生達は夏休みに希望を抱いて帰宅する。
だが、玄治のように補習の、恐怖の電話に怯える者もいた。


渉はその日午前中にさっさと帰り、祖父の畑の手伝いに向かった。

渉は学校であったことやテストの出来の自信などを祖父に話した。
祖父は嫌がることなく全てを聞いてくれた。

渉は祖父の手伝いをすることが嫌いではなく、むしろ好きだった。




しばらくしてナギサと祖母が現れる。

昼食の弁当を持ってきてくれたのだ。
おにぎり、生姜焼き、卵焼き、サラダなど。
シンプルながらも美味しそうなものばかりだった。
祖父の信夫がおかずを口にすると祖母の幸子を見る。
祖母はクスクスと笑っている。

渉「頂きます」

渉もお弁当のおかずを食べる。
渉からすると祖父は不思議そうな顔をしていたが渉にはその味付けがとても好きだった。

渉(じいちゃん、濃いの苦手なのかな?)

渉はあっという間に食べてしまった。
祖父が少し休憩したら続きをやろうと言ったので、消化がてら少し体をほぐしていると、ナギサが渉の服の裾を引っ張る。

渉「ん?」

ナギサ「あ、あの…」

ナギサが顔を赤くして俯きがちに渉に尋ねる。

ナギサ「お弁当…どうでした?」

渉「え、凄く旨かったよ。毎日でも食べたいくらいだったな」

渉がそう答えるとナギサは真っ赤な顔を渉に向けてそのまま家の方角へと走り去ってしまった。

渉「え、な、何が起こったんだ?」

すると祖母の幸子がクスクスと笑いながら、空になった弁当箱を抱えて帰ろうとしたときに渉に言った。

幸子「実は今日のお弁当はね、ナギサちゃんが全部一人で作ったのよ、渉はアタシよりナギサちゃんの味付けの方が好きみたいねぇ」

と言って祖母は帰ってしまった。

渉「ナギサが…作ってくれた……!!??」

渉は先程のナギサの態度と祖母の発言、そして自分が言った発言からその場に座り、顔を手で隠すようにした。

渉(あーもー、なんだよ…なんなんだよ、この気持ちは!)

渉はその後の祖父の手伝いの間、ナギサの顔が頭から離れなかった。



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あきゅろす。
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