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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
ページ:8
寛太「だからすまないが、俺は今日も部活終わりの未来を守りに行く、悪いな」

渉「あの俺も行っていい?」

寛太「暴力沙汰になるかもしれんぞ」

渉「それでも何も悪くない寛太だけが嫌な思いをするなんて俺は間違ってると思うから、寛太を助けたいよ」

寛太はそれを聞くとハッと短く息を吐き、「好きについてこい」と言って断りはしなかった。

御門高校の近くにバスで移動し、少し大所帯ながら平沢未来を迎えに行くと、横断歩道を挟んで向こう側に一人の女子生徒が見えた。
寛太を見るや否や手を振り出し、寛太も右手を挙げたので彼女が平沢未来なのだろう。

横断歩道がもうすぐ青に変わるだろうと思っていた瞬間だった。

花道宏が突然平沢未来の背後から現れ、彼女を突き飛ばし、平沢未来はガードレールに頭をぶつけて倒れてしまう。

花道宏はすぐさま走って逃げ去る。

玄治「俺はあいつを追うぞ!」

渉「分かった!」

玄治は逃げた花道宏を追いかける。
寛太は駆け寄り、彼女に声をかける。
阿莉愛がすぐさま救急車を呼び、ナギサがハンカチで患部を止血した。

しばらくして救急車が到着し、彼女が運ばれる。寛太が救急車に一緒に乗る。

その後、救急車で運ばれるのを見届けていると玄治から電話がかかってきた為、渉は電話を取り、スマホのスピーカー機能を展開する。

玄治「おい!あの野郎、袋小路で突然姿を消しやがったぞ!?」

ナギサ「シャドウに招かれて【ナイトメア】へ入ったのかもしれません」

結菜「じゃあ、私達も行かないとですね!」

玄治は一旦戻ると聞き、待っている間、渉は寛太に電話をかける。

寛太「どうした、渉」

渉「未来さんの側にいてもいいんだよ」

寛太「何を言ってる、俺が招いた問題だ、俺がケリをつけよう」

渉には寛太が悪いとは思えなかったが、それでも寛太は自分が事の発端なのだと言って戦うと決めてくれた。

玄治が戻ってきてから全員は【ナイトメア】へ行くことを約束し、その場を解散した。


渉はナギサと帰りながら口にした。

渉「寛太は悪くないのに…なんでこうなるんだろ…」

ナギサ「人はたくさんの想いがあります。想いには正しくて優しいものから、間違っていて歪んだものまであります」

渉「それは…分かるけど…」

ナギサ「渉さんみたいに間違ってると思う人もいれば、間違ってないと思う人もいる。渉さんが人間らしいんだと思います」

渉「人間らしい?」

ナギサ「こういうときに何も思わないのは人間らしくないですし、優しさも怒りもない人は悲しいです。渉さんはそれがよく分かっている人なんだって思うと羨ましいです」

ナギサは笑顔でそう言う。
だが、その言い方はまるでナギサは人間らしくないから人間らしい渉が羨ましいと言っているようにも聞こえる。

渉「ナギサも人間らしいよ」

ナギサ「はい?」

渉「だって、俺に優しいからさ」

渉も笑顔でそう言う。
そうだ、これでいいんだ、と渉はふと思ったのだ。


帰宅後、それぞれは準備をし、【ナイトメア】へと向かう。



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