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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
6月11日(水)
放課後、結菜は渉から事情を説明してもらう。
そして渉がナギサから預かった指輪を手渡した。

結菜「こんなことが体調不良事件の真実とは…流石に分かりませんよ」

渉「結菜、無理はしなくてもいいんだぞ」

結菜「何言ってるんですか瀬上先輩、私も頑張りますよ、相手のこと調べ尽くしてやりますって!」

そう言って結菜は快く渉達に協力すると決めてくれた。そして眞壁のシャドウを倒すと決める。

渉「これからよろしく、結菜」

結菜「あ、瀬上先輩、私のこと結菜って呼んでくれてますし、私も渉先輩って呼んでいいですか?」

渉「ん?いいよ」

結菜「えへへ、渉先輩☆」

渉「な、なんだよ」

玄治「俺のことも玄治先輩って呼んでいいぜ!」

阿莉愛「そいつは呼び捨てでもいいわよ」

玄治「良くねえよ!?」

結菜「じゃあ、玄さんで」

玄治「なんか老けた!?」

そうやって玄治いじりを一通りやり終えてから【ナイトメア】で落ち合うことを約束し、解散した。






美術館の一番奥のホールで眞壁のシャドウは待っていた。


本人が見当たらないため、早々に決着をしようと渉達は戦いを始める。
結菜は眞壁のシャドウの情報を抜き取ろうと調査(アナライズ)を開始する。

シグムントの斬撃、ベンケイの打撃、ワルキューレの射撃、ジャンヌダルクの守り。
どれを取っても眞壁のシャドウを追い詰められそうなのだが、結菜は気付く。


・・・・・
簡単すぎるのだ。



結菜が眞壁のシャドウの企みに気付いて渉達に退くように電波を送る。

すると眞壁本人が現れた。

結菜「部長!しかも本人!」

眞壁「俺は…ああ、俺は!」

錯乱しているかのようにそう声を出すと、なんと自分のシャドウに自ら近付いていき、眞壁本人は自分のシャドウを取り込んだのだ。

そして頭がカメラ、左手はメモ帳、右手にはペンを持つ怪物と化した。
見た目は馬鹿げているように見えるが結菜には先程のシャドウ単体の時とは比べ物にならないぐらいの力を感じ取った。

「死ねえええ!」

ペンをワルキューレに突き刺そうとする。
ナギサがジャンヌダルクのバリアを展開するが、ペンはバリアを貫通し、そこからバリアはひび割れ始めた。

ナギサ「そ、そんな!?」

渉「シグムント!」

渉はシグムントを駆り、怪物のペンを持つ右腕を切り裂こうと剣を振り下ろすが、刃は半分ほど深々と抉るが切り落とせなかった。

渉「何!?」

「溶けちまえよ」

頭部のカメラのフラッシュがシグムントに当たるとシグムントの体の表面が焦げていた。
炎の力とはまた違うものだった。


結菜はさらに最悪な事実に気付き、渉達に伝える。

結菜「怪物を攻撃したら中にいる本人にもダメージが行っちゃうみたいです!」

そう言われて、渉は躊躇ってしまう。

「おいおい、早く俺を殺してみろよ!」

渉達は攻撃に踏み出せず、防戦一方となる。
しかし、ナギサの守りを貫通する攻撃力に気圧されてしまうのと、攻撃すると本人がダメージを受けてしまうことに板挟みとなり、何も出来なくなってしまった。
窮地に追い込まれる渉達。

「これで終わりだ」

怪物はペンを渉に振り上げる。
渉はシグムントを召喚しようとするがもうほとんど余力がない。
それでも何とか呼び出そうとした瞬間だった。







「くだらないな、これだからペルソナ使いは甘いんだ」

サイスが突然渉の前に現れ、自分のシャドウを召喚する。
そして怪物が振り下ろしてくるペンごと右腕を喰らう。

渉「な、お前…」

サイス「アン、このままやれそうか?」

サイスがそう言うと怪物を挟んで向こう側にアンがいた。

アン「ボス、そのまま喰らってください」

サイス「了解だ」

サイスがシャドウを操り、怪物を喰らう準備をした隙をついて怪物はアンを狙い、左手の手帳を振り下ろした。
するとアンの目の前に一人の少女が現れた。
その少女を見て渉達は息を呑んだ。
少女は胸の前で手を組み、膝をついて祈りを捧げるようにして天を仰ぐ。
すると召喚方法はシャドウ使いと同じく扉に鎖が巻き付き、心を閉ざすかのように霧散する。
だが現れたシャドウは、漆黒の鎧に黒い旗を掲げたシャドウ。
いや、シャドウだけじゃない。
召喚した本人までも。

阿莉愛「ナギサと瓜二つ…?」

そのナギサに良く似た少女が召喚したシャドウが旗を掲げると怪物の一撃を弾き飛ばす。

サイス「いいぞ、【ディアナ】」

サイスはその時点で自分のシャドウの力を溜め終えていたのか、怪物を一気に丸飲みにした。
シャドウだけでなく眞壁本人までも。


遠くからでもすぐに分かる。
長い髪が黒く、瞳が青いこと、服装がナギサの純白とは違い、喪服のように黒いが見た目はほぼ同じで顔や身長がほとんど同じであった。

渉「サイス!」

サイス「なんだ?あのシャドウに取り込まれた本人は返さないぞ?」

渉「あの少女は…」

渉の指差す先がディアナであることが分かっていたサイスは、答える。

サイス「さあな、良く似ているな」

渉「お前…ちゃんと答えろ!」

渉がシグムントを呼ぼうとするが防戦一方でやられかけていたため、疲労が異常に溜まっており、呼び出せなかった。

サイス「これで俺達は帰る、邪魔したな」

渉「ま、て…」

サイス「ふん」

サイスはアンとディアナを連れて撤退した。
また渉達は悔しい思いを胸に抱えながら【ナイトメア】から帰還した。



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あきゅろす。
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