『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
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すると沙梨愛のシャドウが襲いかかってきた。
咄嗟のことに加えて疲労していた渉、ナギサ、玄治はペルソナを召喚しようにも間に合わない。
阿莉愛は沙梨愛をすぐさま自分の後ろに押し退け、自分が身代わりになるように立った。
沙梨愛「お姉ちゃん!?」
沙梨愛のシャドウが阿莉愛を頭から切り裂こうとした瞬間だった。
シャドウ使いのサイスが現れ、自身のシャドウを召喚し、沙梨愛のシャドウを喰らってしまう。
渉は沖唐先生のことを思い出す。
シャドウをシャドウ使いに喰われた人間は失踪する。
阿莉愛が呆然と立ち尽くしている目の前で沙梨愛本人もがサイスのシャドウに喰われてしまった。
状況が全く飲み込めずに阿莉愛は小さく妹の名前を呟いて膝から崩れ落ちる。
サイスはそんな阿莉愛を無視して言った。
サイス「これでいい」
そう言って立ち去ろうとするが阿莉愛は怒りに任せてペルソナを召喚する。
阿莉愛「沙梨愛を返して!」
しかし、サイスにその攻撃は届かなかった。
ワルキューレが放った矢がサイスの目の前で【止まった】のだ。
サイスのすぐ横には腕にたくさんのリングを付けたシャドウが立っており、そのシャドウがサイスの周りに空間を作り出していて、その空間で矢を静止させたのだ。
??「ぼ、ボス…平気……ですか?」
サイスのすぐ後ろに隠れるように一人のシャドウ使いが現れる。
とても小柄でか細い少女の声だった。
恐らく腕にリングを付けたシャドウは彼女が召喚したのだろう。
サイス「ありがとう、【エア】」
エア「いえ、ボスが無事ならそれでいいのです」
相変わらず仮面を着けている。
しかし、声が分かりづらいのはサイスだけだ。
渉達も沙梨愛を喰われたことに怒りを覚え、ペルソナを召喚するが、サイスはシャドウを召喚せず耳元に指を当てながら余裕で回避をしている。
サイス「了解だ、【アン】、離脱する」
サイスがそう口にするとサイスの遥か後方にまた一人シャドウ使いが現れた。体つきで女性と分かる。彼女が【アン】なのだろう。
彼女のすぐ後ろにいるシャドウは体の周りにコンピューターのような機械を浮遊させていた。
アン「ボス、脱出です」
サイス「ああ、助かる」
シャドウ使い達は渉達には到底追い付けないほどの速さでその場から消え去ってしまった。
阿莉愛はその場で泣き崩れてしまう。
そして、渉達はやり場のない怒りを胸に抱えたまま、帰還することになった。
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