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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
5月21日(水)
朝、教室で会った際に阿莉愛は渉に話した。

阿莉愛の父親が姿を眩ましたのだ。
阿莉愛の母親がこれまでかき集めた証拠を警察に突き付けると捜査が始まり、組織は解体するまでに追い込まれ、重要参考人として阿莉愛の父親が捜索された。
だが、その組織の人間は、事務所にいたはずの父親が忽然と消えたのだと話した。
渉「もしかしたら沙梨愛ちゃんが連れていったのかも」

と話し、放課後、玄治にも連絡し、全員【ナイトメア】へダイブした。

阿莉愛「え!?」

玄治「んだよ、篠崎までペルソナ使いになったのか」

阿莉愛は玄治までいることは説明されていなかったので驚いていた。
渉とナギサは玄治も母親で似たような体験をしていることを伝えると了承する。

阿莉愛「ねえ」

玄治「あん、だ?」

阿莉愛は手を伸ばしていた。
少し俯きがちに口にする。

阿莉愛「あなたのお父さんの件、やったことを許すわけじゃないけれど、あなたに酷く当たったことは謝罪するわ、ごめんなさい」

玄治「こっちこそ色々と悪いな」

玄治と阿莉愛は握手をする。
それを見届けた渉とナギサは顔を見合わせて笑い合い、行こう!と声をかけ、あの滅茶苦茶高い塔を目指した。


玄治「おいおい、この塔を登るのかよ」

ナギサ「これはあのシャドウの元になった本人の心象風景です。見た目よりも高い訳ではないはずです」

阿莉愛「自分は囚われのお姫様って気分かしらね、あの子」

渉「みんな、行くぞ!」

四人は高い塔に少し辟易していたが、お互いに鼓舞し合い、進むことを決める。

塔を必死に登る四人の頭の中に、沙梨愛の記憶が写し出される。

父親が家で玄治の父親に自分を襲わせたことを組織の仲間に笑いながら電話しているのを見てしまった記憶

姉が守ると言ってくれたのに父親の言いなりの役立たずだと思った記憶

母親が助けに来てくれたのに警官が母親を遠ざけてしまった記憶


それらを見て、それぞれが不安を噛み締めながら頂上まで到着する。

沙梨愛のシャドウが待っていた。
近くには、父親と沙梨愛本人が座り込んでいる。

「役立たずなお姉ちゃん、今更来てももう遅い」

と言って父親を空中へと浮かせて妖精に握り潰させようとする。
すぐさま渉と玄治がペルソナを召喚し、それを防ぐ。
沙梨愛本人はその光景にただただ怯えていた。

シャドウに向かって阿莉愛は叫ぶ。

阿莉愛「確かにお父さんに騙されてた馬鹿なお姉ちゃんよ。けれど、誰にも相談せず1人で抱え込んでた沙梨愛はもっと馬鹿」

と口にする。するとまるで馬鹿の一つ覚えかのよう沙梨愛のシャドウは叫ぶ。
「うるさい!役立たずが!」

阿莉愛「役立たずって言ってもいいけど、誰にも相談しないで1人で泣き叫ぶだけのあなたはもっと役立たずの大馬鹿者よ!」

と言い放つ。
そしてそのままペルソナ【ワルキューレ】を召喚する。

阿莉愛「お互い馬鹿なんだから文句の言い合いなんて無しなんだから!」

「うるさい!役立たずのお姉ちゃんがあああ!」

妖精が手を伸ばしてくる。
まるで子供が虫を潰すかのように。

玄治「任せろ!ベンケイ!」

玄治はその妖精の攻撃を一人で受け止める。
手のひらをガッチリと掴んでいるせいか妖精は身動きが取れない。

玄治「渉、篠崎、ナギサ頼んだぞ!」

阿莉愛「任せて」

ナギサ「はい!」

ナギサはジャンヌダルクが持つ光の力で光の槍を作り出し、妖精の右目を貫いた。

阿莉愛はワルキューレの力で妖精の足と羽根を凍らせる。

ナギサ「渉さん!」

阿莉愛「渉!」

玄治「やれ、渉!」

渉「シグムント!」

渉は身動きの取れない妖精の体を横一直線に切り裂いた。
そして妖精は黒い靄を洪水のように吐き出し、霧散する。
そこには沙梨愛のシャドウが一人座り込んでいた。


阿莉愛がゆっくりと沙梨愛のシャドウに詰め寄るが、沙梨愛本人が庇いながら口にする。

沙梨愛「言いたかったけど、パパもママも好きで…言えなかった…お姉ちゃんも大好きだから……言えなかったの…」

と泣き叫んでしまった。

阿莉愛はそんな沙梨愛を抱き締めて優しく囁く。

阿莉愛「分かってる…お姉ちゃんだってみんな好きだもん」

と話した。
沙梨愛は阿莉愛の腕の中で声を上げて泣き始めた。
阿莉愛は沙梨愛をギュッと抱き締める。



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あきゅろす。
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