『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
5月20日(火)
渉は教室で阿莉愛と会っても気まずい雰囲気になってしまった。
声をかけようにも上手い言葉が見つからず、放課後になって暦翔に相談した。
暦翔「玄治みたいに茶化しに行くわけじゃないけど、今日もお店の方に行ってみる?」
渉は暦翔と一緒にまたあの喫茶店に行くことにした。
お店で玄治無しなら少しは話を聞いてくれるかもしれない、と思ってしまったのだ。
だが、お店の前まで来たときに裏口の方で口論する声が聞こえてきた。
暦翔「行ってみよう」
暦翔と共に裏口まで回ると阿莉愛が一人の女性と口論になっていた。
女性は阿莉愛の腕を掴んでいる。
止めに入ろうかと渉と暦翔が近付いた時に阿莉愛がその女性の腕を振り払い、叫ぶ。
阿莉愛「私達を捨てて逃げた人間の言葉なんて聞きたくないわ!消えて!」
そう叫んだあと、裏口から中に入ってしまった。
そこで恐らく、阿莉愛の母親らしき人が落胆する。
そして渉と暦翔に気付くと頭を下げて立ち去ろうとした。
暦翔「あの、訳を話してもらえませんか?」
渉は暦翔が突然何を言い出したのか分からなかったが、阿莉愛の母親らしき人は二人を交互に見つめると、そうね、と口にした。
そして暦翔の案内で諸星さんの店まで行くことにした。
諸星「暦翔君、いらっしゃい」
暦翔「諸星さん、奥を使ってもいいですか?」
諸星「ああ、いいよ」
諸星さんは快く店の一番奥、といっても物置のような個室で、渉と暦翔はここで勉強したりしている。
花梨「私は篠崎花梨(かりん)と申します。お二人は阿莉愛の友達かしら?」
渉「瀬上渉です」
暦翔「黒鐘暦翔と言います」
花梨「二人はどうして私から話なんて聞こうと思ったの?」
暦翔は渉に目配せする。
そして例の封筒を取り出し、これに何か心当たりは、と聞いた。
すると花梨はそのカードを見て目を見開く。
花梨「そう、林次郎さんがこれをあなた達にね」
林次郎というのは玄治の父親の名前だ。
暦翔と渉は知ってることを話してほしいと聞いた。
すると阿莉愛の母親は、こう言った。
花梨「あなた達に、阿莉愛を守ってほしいの」
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