『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
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玄治「暦翔の推理じゃあ、親父は誰かに騙されたって事か?」
暦翔「うん、でもこんなの証拠になるかも分からないし、僕のはあくまで推測だからね」
玄治「だけど、もしそうだとして親父はなんでこのこと警察に言わなかったんだよ」
暦翔「それは…分からないけど」
渉「でも自首するって言った後にこんな嘘をつくような人にも見えなかったけどなぁ」
3人がそうやって話していると視界の端に、黒くて長い髪の店員が見えた。
その雰囲気や横顔からとても美しい顔立ちをしていることが分かった。
玄治「うお!あの娘か!?」
暦翔「あれは…」
渉「し、篠崎さん!?」
そこには普段凛とした表情で一切感情など見せず、告白してくる男子やお誘いをする男子を冷たくあしらう【氷の女王】とまで呼ばれるあの篠崎阿莉愛がウェイトレス姿で、笑顔で、接客をしていたのだ。
玄治「げ!?噂の相手って篠崎かよ!?」
暦翔「ここでアルバイトしてるんだね」
渉「ふーん」
玄治はぼうっと眺めている渉をからかおうとした。
玄治「お。なんだ、渉?…篠崎に見とれてんのか?」
渉「いや、別に」
渉が特に意に介さず、玄治をスルーしている様子を見て暦翔が口にする。
暦翔「ワタル、もしかしてあの篠崎さんよりも可愛らしい女の子と知り合いなのかな?」
クスッと笑うように話す暦翔に渉は少し苦笑し、そんなことないよ、とだけ口にした。
渉(あーなんでまたナギサを思い出したんだろうな)
阿莉愛本人は渉達にはまだ気付いていないようだ。
玄治が、声かけようぜ、と言い出すが渉としては仕事の邪魔をしたくなかった。
暦翔「仕事の邪魔をしちゃ悪い、さっさと出よう」
玄治「えぇ?…あ、そうだ」
暦翔はテーブルに置いてある会計のレシートを掴む。
渉は慌てて財布を取り出し、自分の分を払おうとするが、暦翔はそれを制止する。
暦翔「いいよ、これくらい僕が払う」
そう言って素直に渉は、ありがとう、と伝えたが最初から奢ってもらう気だった玄治は何も言わなかった。
そして会計を済ませ、二人が店から出ると玄治は裏口の方へ回っていた。
渉「玄治、何してんだ?」
玄治「篠崎が出てくるまで待とうぜ」
暦翔「玄治、別にアルバイトは校則で禁止されてる訳じゃないんだ、野暮はよそう」
渉「玄治」
玄治「嫌なら帰れよ」
そう言うと玄治は裏口を張り込み始めた。
暦翔と渉は置いていこうとも考えたが、玄治がもし警察にでも補導されたら、玄治の母親が可哀想だと思い、少し離れてはいるが、結局、玄治に付き合うことにした。
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