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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
5月19日(月)
渉、暦翔はルンルン気分で前を歩く玄治にため息をつきながら付いて行っていた。

事の発端は、放課後になって玄治が誘ってきたのだ。

玄治「中央モールから少し外れたところに喫茶店があるんだが、超美人のウェイトレスがいるらしい」

と鬼気迫る勢いで押され、渉は暦翔と約束があるということで断ろうとしたら暦翔も巻き込まれてしまった。

渉「ごめん、レキ」

暦翔「仕方ないよ、轟君はこういうとき何故か強いから」

二人はため息を再度ついた。
だが渉としては中間テストも終わり、次の試験まで2ヶ月以上空いているし、たまにはいいかと思っていた。

中央モールに到着し、さらにそこから学校とは反対側の道を歩いていくと、トンネルがある。
これは隣町に行くためのものだ。
その手前辺りで小洒落た喫茶店を見つける。

玄治「着いたぜ、じゃあ、行こう」

玄治は意気揚々と中に入り、3人だと話し、席へ案内される。
玄治はウキウキだった。
暦翔はメニューを見ながら「男3人だと浮いて見えるね」とまたため息をついた。
渉は不謹慎だとは思いつつもウェイターさんやウェイトレスさんを見る。

渉(男の人も女の人も整った顔の人は多いけど、超美人とは思えないなぁ……ナギサの方がまだ可愛いよ……!?)

渉は突然テーブルを叩いた。
暦翔と玄治は驚いた顔をした。

渉「ご、ごめんよ、テストで不安なとこあってさ」

渉は慌てて取り繕う。

玄治「ああーやめろ、テストなんて無かったんだ!」

暦翔「ワタルは僕としっかり勉強したから平均点以上は確実だよ、安心して」

渉はどうにか誤魔化すことが出来た。
しかし、俯く。

渉(なんで俺、ナギサのこと引き合いに出したんだ?)

そう俯いていると暦翔にメニューを渡され、とりあえず飲み物だけを注文した。
玄治は暦翔に「金無いんだ、奢ってくれ」と頼み込んできたので、暦翔は飲み物だけなら払うよ、と渋々承諾していた。

そして注文を聞きに来た人も別格に綺麗というわけではなかった。

暦翔「噂は噂程度だろう」

玄治「ちぇー」

すると渉はカバンからあの封筒を取り出し、暦翔に見せる。

暦翔「そういえば轟君」

玄治「あー、あのよ、黒鐘」

暦翔「ん、なんだい?」

玄治「玄治って呼んでくんねえ?名字だとなんか嫌だわ」

暦翔「そうかい、じゃあ、玄治と呼ぶよ。その代わり、玄治も僕のことは暦翔と呼んでくれ」

玄治「分かったぜ、【レキ】」

暦翔「やめてくれ、それはワタルの特権だ」

玄治「わ、分かったよ…睨むなって…」

渉はその状況に苦笑いしつつも封筒を取り出して玄治に見せた。
玄治は中のカードを見てもポカンとしていたが、暦翔が自分のした推理めいたものを交えて話した。

ちょうどその時に頼んでいた飲み物が届く。
やはり運んできた人は、言い方は悪いが普通の人だった。



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