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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
5月17日(土)
休日ではあるが、午前中のうちにテストは終わる。
渉は全体的に出来たと実感があった。
玄治は「俺は過去を振り返らない男だ」などと供述し、テスト期間の一切の記憶を消した。

その後、諸星さんのお店で暦翔とテストの話題をしていると渉はふと玄治の父親から渡された封筒の事を思い出した。

カバンからそれを取り出すと暦翔が不思議そうに見てきた。

暦翔「ワタル、それは?」

渉「ん?えと」

渉は玄治の父親が自首したことやこの封筒を渡してきたことを簡単に説明した。

暦翔「轟君も臆病な性格だね」

渉「今まですまなかったとかの謝罪の手紙だったりしてね」

と二人で苦笑しながら封筒を開けると、中からは場所と時間、日時、そして人物名が記載されたカードが出てきた。
場所はこの町ではない別の町、時間は夜中、日時は数年前だった。
すると書かれている名前に暦翔は反応する。

暦翔「沙梨愛(さりあ)?」

渉「知ってるの?」

暦翔「え、ああ、その」

渉「どうした?」

暦翔「沙梨愛ちゃんは、篠崎さん、篠崎阿莉愛さんの妹さんで……轟君のお父さんが酔っ払って強姦未遂を犯した相手なんだよ」

渉「え、えぇ!?」

渉は驚きのあまり、とても大きな声が出た。

暦翔「だから、篠崎さん、轟君達のこと、嫌ってるんだよ」

渉は4月頃、阿莉愛が玄治に酷い言葉を吐いた理由が何となく分かったような気がした。

渉「でも何だってそんな名前とか書いてあるカードが出てくるのさ?」

渉は暦翔も分からないだろう、その内容を暦翔に聞いてしまった。
暦翔は考え込み、日時などを見ていてハッとする。

暦翔「この日は確か轟君のお父さんが事件を起こした日だ、その日の事が書かれていて場所の指定もされているということは…」

渉「何か分かったのか?」

暦翔「もしかしたら、轟君のお父さんは、誰かの罠にハメられたのかもしれないよ……沙梨愛ちゃんを襲わせるよう誰かに仕向けられたのかも」

と暦翔は口にする。
渉は、背筋がゾクッとするのを感じる。



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あきゅろす。
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