『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』 ページ:12 渉「何しに来た!?」 渉がサイスに用を聞くとサイスは母親のシャドウを指差す。 サイス「そのシャドウ、こちらに渡してもらおうか……いや、俺に【喰らわせろ】」 サイスはそう言うとあのシャドウを召喚する。 右腕が捕食するために変質しているあのシャドウだ。 渉「させるか!」 渉はシグムントを召喚し、サイスのシャドウと戦闘を開始する。 サイスが指示すると、トークとインも1度出したシャドウを消し、扉を出現させる。 トークは抱えていた本を強く掴み、インは口元を手で押さえる。 そして扉に鎖が巻き付き、消えていく。 トーク「行け!書き尽くせ!」 イン「…殺せ」 トークの背後からは先程の本と筆を持つシャドウ、インの背後からは鎌を持つシャドウが現れ、ジャンヌダルクとベンケイに襲いかかる。 渉「なんで邪魔するんだ!」 サイス「邪魔なんてしていないだろう?」 渉「どこ、が!?」 言葉を強く言い返そうとした瞬間、ペルソナの操作が止まった。その隙を突かれてしまう。 サイス「俺達はお前達とは違う、頼むからお前達はもう戦うな」 渉「意味が分からないぞ!」 渉はサイスの言うことが全く理解できなかった。 説明も無しにただ「戦うな」と言われてもその通りにするはずがない。 渉「こんのお!」 シグムントがサイスのシャドウに掴みかかり、サイスがそれを振り払おうとしている間に、渉は母親のシャドウに話しかける。 渉「もう玄治をあんなに怒らせたりしないように本人へと戻ってもらえますか?」 そう声をかけると、母親のシャドウはもう抵抗する力など残っていないのか静かに頷き、上空へと光の粒子になりながら消えた。 サイス「ちっ、トーク、イン、退くぞ」 サイスがそう言うとトークとインはすぐさま退く。 そしてサイスは渉に向かって吐き捨てる。 サイス「お前達は何も分かっていない…」 そう言い残し、サイス達、シャドウ使いは去った。 玄治「渉」 渉「ん?」 玄治「へへ」 玄治は右手をあげる。 渉は何なのかそれを理解した。 渉は玄治の手を勢いよく叩く、そうハイタッチだ。 渉がナギサにもしようと手をあげると、ナギサは不思議そうに見つめながら渉の手のひらに指を当てた。 渉「はは」 ナギサ「??」 玄治「てか、挨拶してなかったわ、俺、玄治な」 ナギサ「ナギサと言います、玄治さん」 玄治「うっひゃ、かわええ」 渉「玄治…」 玄治「なあ、どこら辺に住んでんの?」 玄治が不躾な質問を繰り返すのを聞きつつ、渉が簡単にナギサに記憶がないことを説明すると玄治は慌てて謝罪した。 渉の両親のように地雷を踏み抜くところだったのだ。 ナギサ「渉さん、ありがとうございました」 渉「いや、今日は玄治のおかげだよ」 玄治「おうよ!」 渉「これからもまだこういうことは起こりうるんだよな?」 渉がそう言うとナギサは静かに頷いた。 渉「じゃあ、今日はもう帰るけど、これからもよろしく、ナギサ」 ナギサ「はい!」 ナギサは無邪気に笑う。 二人はそれを見届けると【ナイトメア】から離脱した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |