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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
ページ:9
渉はナギサの名を叫ぶ。すぐさまに駆け寄るがナギサは目を細めて渉を見つめていた。
渉はナギサを受け止めるが彼女の体は冷たく、羽のように軽い

渉「ナギ…サ?…しっかりしろ!」

ナギサ「渉さん…ご無事ですか?」

渉「俺は無傷だよ!ナギサのお陰だ」

ナギサ「良かった……渉さんに死なれたら私……わたし」

ナギサを中心に血の池が出来始める。
渉は何度も名前を呼ぶが、ナギサの体が光の粒子となって消え始める。

渉「待てよ、待てよ……ナギサ!」

ナギサ「渉さん……ごめんなさい」

渉「謝るなよ!謝るのはこっちだよ!」

ナギサ「勝手に…いなくなって……ごめんなさい」

渉「黙れ!もう喋るな!」

渉の目からは涙が溢れてくる。
止めようとしても止められない。
この感覚は1年前に痛感した、親を無くしたときと同じ、いやそれ以上か?

ナギサ「泣かないで…」

渉はナギサが消えてしまう前に口にすると決めた。

渉「ナギ…サ」

ナギサ「…は…い」

こんなときにこんなことを言うなんて自分は非常識かもしれない。
だけど、もう今しかないのだ。

渉「俺はナギサの事が好きだ…大好きだ……心から…大好きなんだ」

それを聞いたナギサは頬を赤らめ、涙を流す。そして左手を渉の頬に伸ばし、そっと添える。

ナギサ「私…も……渉さんのことが……」

その左手を渉が掴もうとした瞬間にナギサは完全に消えてしまった。
もうあの儚く美しい…それでいて優しい笑顔を向けてくれていた少女は───いない。









渉「ナギサァァアァアアアァァア!!」





渉は叫ぶ。








その後ろでは残滓が嘲笑っていた。



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