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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
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暦翔はサクリファイスと共に渉の元へとたどり着く。

暦翔「ワタル!君は…」

渉「どけっ!」

暦翔「本当にナギサを殺すつもりなのか!」

渉「こうするしかないんだ!ナギサの…ナギ…サの…」

渉は溢れ出る涙に抗いながら、弱々しい声を無理矢理奮い起こしながら、叫ぶ。

渉「ナギサの望みなんだ!だから、俺が1人で背負う!」

暦翔「ワタル…」

渉「本当の事を言えば、俺は助けたい…ナギサを助けてあげたい…でも俺には何も出来ない…出来ないんだ…」

渉は自分のペルソナを見てから自分の胸に手を当て、空いた手を見ながら口にする。

渉「何がペルソナだよ…こんなに強い力があっても……俺は…俺は…大好きな人1人も助けられないなんて!!」

暦翔「ワタル……賭けを…してみないか」

渉「え?」

暦翔「君の本心を聞けた。だから、僕も覚悟を決める」

渉「レキ…?」

暦翔「渉、シャドウ使いの力とマーリンを返してくれるかい?」

渉はシャルルマーニュに吸収させたシャドウ使いの力、トーク、イン、エア、オリオン、ディアナの仮面とアンの力を解放し、暦翔に渡す。

暦翔「ありがとう、ワタル」

渉「レキ」

暦翔「行くよ!」


暦翔はサクリファイスにシャドウ使い全ての力を喰らわせる。
そして、サクリファイスと共に邪神の残滓に手を向け、口にする。

暦翔「【慈愛】を持って少しずつ神に【浄化】の力を【付加】していき、油断した邪神の力を【剥奪】した。
さらに邪神の力を【捕食】して、【痛み】とそれに伴う【恐怖】で邪神の力を【制御】した。
これらの【儀式】に必要な【生贄】を邪神自身にさせ、邪神が【復讐】を目論むことを考え、ここでの死と共に【忘却】を行った。
そして灰山家はこの邪神を復活させないようにすることを【使命】とし、家督を継ぐものを【語り部】として任命した」

呪文のようにその言葉を紡ぐ。
渉は灰山家で見たそれを思い出す。

それは邪神封印の概念と記述。
暦翔は1人で封印を行おうというのか……いや、違う。


暦翔はその時に理解した事をマーリンを通して渉の脳に直接送る。


そこには邪神の残滓の奥底に、邪神の残滓の肉体の一部になろうとして取り込まれかけているナギサが写る。

邪神の残滓が暴れまわる。
それをサクリファイスで押さえ付けている。
残滓が暴れまわる度に暦翔は傷付き、サクリファイスと共によろめく。

渉「レキ!」

暦翔「分かるだろ!最後のチャンスだ!邪神封印は出来ない!それは完全な封印が出来ないだけでこいつを動けなくすることくらいは出来る!ぐ!」

暦翔の体の皮膚が裂け、血が噴き出す。
口の端からも血が垂れる。

暦翔「最後のチャンスだよ…ナギサの手を掴んで見せろ!渉!」

渉「うおおおおおおお!!!」


渉はシグムントの肩に乗り、残滓に向かっていく。
シャドウや邪神の影が邪魔をしようとするが、アーサーの風を纏いし剣の一閃がそれらを吹き飛ばし、シグムントの一撃が残滓の体を抉る。

そしてナギサの手と顔が見えた。







渉「届けえぇぇえええぇええ!!!!」


















渉はナギサの手を掴み、引っ張りあげたのだった。






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