『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
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暦翔「ならば!」
暦翔はマーリンに魔術を使わせる。
魔術の爆破をかわした邪神だったが、本命は違う。
マーリンが背中に滞空させている剣を邪神に突き刺し、固定したのだ。
暦翔「みんな!ペルソナにあの剣を掴ませて抜けないようにしてくれ!」
それに合わせて、寛太のベオウルフ、玄治のベンケイ、真弥のゼノビアが剣を掴み、阿莉愛のワルキューレが邪神の体を凍り付かせる。
邪神は振り払おうとするが、ナギサのジャンヌダルクの光の槍が更に邪神の体を貫いた。
暦翔「ワタル!」
玄治「渉!」
阿莉愛「渉!」
結菜「渉先輩!」
魅奈「渉さん!」
寛太「渉!」
真弥「渉!」
ナギサ「渉さん!」
渉「うああああああ!!!」
水晶玉をシグムントが捉える。
だが、渉はシグムントを止めてしまう。
渉はどうしても……どうしても───どうしても!
焦る仲間、疑問に思う仲間、怒る仲間。
様々だったが、彼は口にする。そして
渉「本当にこれでいいのか!?本当にいいのかよ…」
と涙を流してしまう。
邪神「甘い」
それを好機と捉えた邪神が仲間達を吹き飛ばしてしまい、形勢は逆転してしまう。
暦翔「があっ!?」
特に暦翔のマーリンには突き刺した剣を投げ返し、マーリンの体を貫く。
邪神「お前の甘さが皆の死を招く。やはり、人は愚かだ。すぐに誰かを【裏切る】」
邪神は渉を責めるが、渉は違う話をする。
渉「あんたはさ、本当に人間が好きだったんだな…大好きだったから本当に怒っちまったんだよな、全部俺達人間が悪いんだよな」
邪神「そうだ。だから滅べ、それが償いだ」
渉「だけど、全ての人間がそう思ってた訳じゃない…私利私欲に満ちた人間の行いでこうなった、俺達はそんな奴等と違う」
渉は涙を流しながら言葉を紡ぐが邪神は気にも止めない。
邪神「我にとっては同じ人間だ」
渉「違う!俺達は…いや、同じかもしれないな…だけど…」
渉のシグムント、シャルルマーニュ、アーサーは消え、渉の前に扉が現れる。
邪神「お前からだ、我が与えたものとは違う力に覚醒せし者よ」
邪神がシャドウ使いを殺した黒い球体を放とうとする。
仲間達が渉を助けようと走り出し、ペルソナを呼び出すが距離がありすぎる。
渉は目の前の扉に目をやる。
不思議なことに鍵穴が3つある。
それを渉は理解する。
渉「俺はお前を殺さない、俺はお前を…」
渉は、愚者のシグムント、星のシャルルマーニュ、審判のアーサーのカードをセットし、鍵を回す。
邪神「何を…するつもりだ?」
渉「救いたいんだ!」
渉は扉を開く。
そこからは真っ白なローブを纏ったペルソナが現れる。
邪神「また…新たな…ペルソナだと?」
渉「俺はお前を殺さない、殺したらそれこそ私利私欲に満ちた奴等と同じになる。だから俺はお前を助ける!」
新たに現れたペルソナが手にしていた杖を振りかざす。
すると邪神は巨大な方舟に包み込まれる。
邪神「な、なんだ?」
邪神の体が少しずつ光の粒子となって消え始める。
渉「方舟よ、邪神から悪しき心を取り払ってくれ……頼むぞ、ペルソナ……【ノア】!」
カードには【世界】と刻まれている。
救世主と呼ばれたノアをペルソナとして召喚したのだ。
邪神を包んだ方舟は光り輝き、少しずつ邪神を浄化していく。
邪神「な、体が…憎悪が…」
邪神は光の粒子となって消えていく。
少しずつその邪神としての心が消えているのだ。
渉「お前は人間の身勝手で邪神になった。だから、俺の勝手でお前を良い神様に戻す」
邪神「貴、様…!」
渉「人間ってそういうもんだよ、神様……今度からは神様の好きなようにしてくれ」
邪神「……」
邪神はそれ以上抵抗せず方舟から来る浄化の力を甘んじて受け入れた。
しかし、消える間際、渉にこう言った。
邪神「だが、我の全てを消し去れた訳ではないぞ、全てを消さねば、終わりはない」
渉「え?」
それだけ告げると邪神は浄化され、消えた。
渉達は勝利したのだった。
仲間達が一斉に渉の元へと走り出し、玄治が思い切り渉の背中を叩いた。
しかし、渉には疑問が残ってしまい、勝利に喜びはしたが、違和感は消えなかった。
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