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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
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灰山咲綾は、体が弱かった。
屋敷内なら歩き回れる程度だがすぐにバテてしまう。食事をして薬を飲んで眠るだけの生活を繰り返していた。

そんなある日、地下室から物音がしたのだ。

地下室は普段から親に入ってはいけないと言われていたのだが、両親が海外に出張となり、広い屋敷に1人きりになってしまった。
そんなある日、灰山咲綾は好奇心に負けて鍵が保管されている父の机の引き出しを壊し、鍵を持ち出してしまった。

そして地下室の重い扉を何とかして開け、地下深くまで降りていくと、奇妙でどこかファンタジーチックな魔法陣を見つける。

灰山咲綾はそこに足を踏み入れ、中心にあった札が貼られている箱を開けてしまう。

その中には漆黒の無限に広がる闇を思わせるような水晶玉くらいの球体があった。

そして灰山咲綾に声が語りかけた。

「私は願いを叶えるもの、私にかけられた悪しき封印を解いてくれてありがとう。お礼にあなたの願いを叶えてあげます」と。

灰山咲綾はそれを信用せず、不気味に思い、逃げ出そうとするが転んでしまう。

すると声は
「あなたは体が弱いのですね、では少しばかり」
と言うと先程まで恐怖と疲れで息が荒くもつれてしまった足だったが、急速に疲れと恐怖が和らぎ、転んだときに擦りむいた傷も治ってしまった。
声は
「今は復活したばかりでこの程度が限界です、ですが力を取り戻すことが出来ればあなたを元気にして外に出してあげることもできます」と。

灰山咲綾はずっと屋敷の中で生きてきた。

この先、体が治る保証もない。彼女は学校というものに憧れていた。だから、彼女はその声にしたがってしまう。




それが邪神だったのだ。



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