『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
12月11日(木)
放課後、暦翔から連絡を受け、諸星さんの店に集まった渉達だったが。
暦翔から運び込まれたのは灰山咲綾で間違いなく、長い間、まともな栄養を取っていないのか酷く衰弱していて、海外にいる両親を緊急で呼び出すほどだったという。
さらにしばらく灰山家の館は完全な立ち入り禁止となり、灰山咲綾も面会謝絶となってしまった。
玄治「面会出来ないんじゃ、手がかりねえじゃねえか!」
暦翔「それは仕方ないよ、栄養失調に加えて火傷による外傷もある。普通なら死んでいるよ、でも何とか一命は取り留めている…ギリギリだったんだよ」
阿莉愛「何も得られないまま、ね」
寛太「だが以前の邪神との戦いから奴は何もしてきてはいないな」
結菜「それだけ暦翔と渉先輩の一撃が強かったから、姿を眩ましているのも傷を癒やす為だと思うけど」
玄治「じゃあ、大丈夫ってことか?」
結菜「そうも言い切れないけど…」
玄治「おいどっちなんだよ」
真弥「焦ったり、責めたりしてもどうしようもないだろう」
ナギサ「…」
渉「ナギサ?」
渉は俯いているナギサに声をかけると、ナギサは弾かれたように顔を上げ、笑顔で「大丈夫です」と言いながら渉を見た。
渉「こればっかりは灰山咲綾が起きないと解決しないだろうから、一旦回復を待つことにしようか」
暦翔「館に入れないかどうか掛け合ってみるよ、もしダメなら無理にでも僕が…」
寛太「無理をするな」
暦翔「!……あ、いや……ごめん」
微妙な空気のままではあったがその日は解散となる。
渉達は、邪神に繋がる手掛かりを失った。
それだけが誰もが理解していた。
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