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『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
ページ:9
渉「レキ、お前…」

暦翔「ワタル、君に言っておかなきゃいけないことがある。まずはサクリファイスが喰らった人達はみんな無事だよ、父さんの病院で匿ってる」

渉「え、じゃあ…」

暦翔「ワタルのおじいさんもおばあさんも、沙梨愛ちゃんも、沖唐先生もみんな、無事だよ」

渉「どうして、そんな…なあ、レキ、お前は俺を倒したりも出来ただろ?…それにナギサだってお前は倒せたはずだろ!?なんでしなかったんだよ!」

暦翔「ナギサを傷付けたらワタル、怒るじゃないか……ワタルの大事な仲間を喰らうなんて、僕には出来なかったんだ……ワタルを傷付けるなんてさ」

そこで暦翔は言葉を切り、立ち上がって渉の方を振り向かないまま、口にする。

暦翔「バイバイ、ワタル…僕はもう全力で邪神を殺すから」

暦翔はナイフを自分の右腕に突き刺し、血がドクドクと流れ出る。
その血をサクリファイスに喰わせて、一気に勝負を着けようとする。

暦翔「サクリファイス、これで決めて、みんなの所へ行こう………行くぞ!」

しかし、そんな暦翔の左腕を渉が掴んでいた。

暦翔「離せ!ワタル!」

渉「離すもんかよ!」

暦翔「離せ!もう、こうするしか…僕が命を賭けるしかないんだ!」

渉「死なないでくれ!レキは俺の最初の友達で親友で……俺の大事な仲間だろ!死なないでくれ!」

暦翔「!」

暦翔はゆっくりとサクリファイスの力を弱める。
僕らは、俺らは、何故こんなにも互いを大事にし過ぎてすれ違うのだろうか。




邪神「お前達に未来はない、ペルソナ使いよ、シャドウ使いを殺せ」




指輪を通してペルソナを無理矢理召喚させられてしまう。



しかし。

玄治「させっかよ!」

阿莉愛「何でも思い通りになるなんて思わないでよね」

結菜「ファイトー!」

寛太「やらせないぞ」

真弥「ふん、効きはしない」

ナギサ「絶対に負けません!」

仲間達も渉もそれに抵抗して、自分自身を仲間同士を攻撃していく。

シグムントが、ジャンヌダルクが、ベンケイが、ワルキューレが、マタ・ハリが、ベオウルフが、ゼノビアが、自分自身をお互いを攻撃して暦翔に攻撃がいかないように必死に堪えている。

玄治「暦翔!お前は逃げろ!」

阿莉愛「このままじゃ私達があなたを傷付けてしまう!」

寛太「お前だけでも逃げるんだ!」

真弥「黒鐘君、ここは任せるんだ」

結菜「魅奈ちんによろしくね!」

ナギサ「あなたはもう仲間です、仲間を信じて助けるのは当然です!」

渉「逃げるんだ!レキ!」

仲間達は互いを攻撃する。
その度にペルソナのみならず、仲間達本人達も傷を負っていく。

邪神「無様だな、ペルソナ使いは」







そんな状況を見ていた暦翔は口にする。









暦翔「これ以上、僕の友達を…親友を…仲間を…傷付けるなあぁぁああ!!!」



その瞬間、暦翔の前に扉が現れた。


邪神「ふん、心を閉ざして力を本能に身を任せるシャドウ使いも無様なものだ」

邪神が嘲笑う。
渉達の行動も暦翔の行動も邪神にとっては取るに足らない無駄な抵抗にしか見えないのだ。

渉「違う」

邪神「なに?」

渉「違うよ」






暦翔の前に現れた扉には鎖が巻かれていない。
そして暦翔の手には1枚のカードが握られていた。

そこには確かに【魔術師】と描かれていたのだ。

暦翔は鍵穴にカードをセットし、鍵を開く。

そして左手を突き出し、拳を握る。


暦翔「ペルソナ!」


扉が開き、扉が霧散するのと同時に、暦翔の背後に水色のローブを纏い、左手に大きな杖と背中には数本の剣を滞空させているペルソナが現れた。



暦翔「行くぞ!マーリン!」


暦翔のペルソナ、マーリンは邪神ではなく、渉達の方へと飛んでいく。



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あきゅろす。
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