『PERSONA ─INDEX ALTERNATIVE─』
10月9日(木)
朝から戦争関係の記念碑を見に行き、当時の人達へ言葉を贈ることになった。
玄治と複数の男子は気分が悪そうな雰囲気だった。
きっと昨日の夜から先生と一緒だったので気分が悪いのだろう。
阿莉愛と目が合った。
渉が笑顔で小さく手を振ると安心した笑顔を向けてくれた。
その後、昼食となりそこから自由時間となった。
沖縄はこの時期でも海に入れると知り、みんな海で泳ぐこととした。
玄治「海が透き通っている!」
暦翔「樺戸島も良いとこだったけど、沖縄は訳が違うね」
海は蒼く光っていた。
こんな綺麗な蒼色が見えるなんて、と渉は思う。
先生の許可を得るとジェットスキーに引かれて海を走れるアトラクションが楽しめると聞き、渉は暦翔と共に行く。
玄治がすで他の生徒と乗っていたのだが、玄治は何故か吹き飛ばされていた。
先生から、次ふざけたやつがいたら禁止する、と言われ、皆一同、「はい」と言うしかなかった。
渉と暦翔の番となる。
水飛沫(みずしぶき)が顔を覆い、口の中が辛くなった。
玄治のようにふざけるつもりはないが慣性で落とされそうになった時に暦翔に引かれてなんとかボートの上に戻された。
渉「助かっ…わぶ」
暦翔「終わるまで口は開かない方がいいかぼ!?」
二人はこれのあと、口の中が辛くてうがいをする羽目になった。
しばらく遊んだ後、夕食までの自由時間で渉はお土産を眺めていた。
すると暦翔が渉の肩に手を置いて囁く。
暦翔「ナギサにもちゃんと買わないとね」
渉「なっ!?」
暦翔「別におかしくはないだろ?一緒に住んでるんだしさ」
渉「ふ、含みがあるような言い方だったじゃないか!」
暦翔「ふふ、ワタルから相談してきたんだからアドバイスしなきゃね」
渉「く…」
暦翔は一通り渉をからかうとその場から立ち去ってしまう。
渉はため息をつくが暦翔とはちゃんと仲直りが出来たことにも安心した。
そして夕食後、渉と先生から解放された玄治は暦翔を部屋に呼んで話をしていた。
玄治「明日帰るだけかよ、はー、あと2日はいたかったぜ」
暦翔「別にいいじゃないか、僕は早く帰りたいよ」
渉「ん、何か心配事でも?」
暦翔「いや、別に」
玄治「お、旅行の時に言ってた好きな奴かぁ?」
暦翔「さぁ?どうだろうね?」
玄治「あー!やっぱそうだぞ、こいつ!」
玄治が騒ぐが、渉にはその相手が検討も付かなかった。
暦翔は、渉から見ても何でも出来る好青年といった感じだ。
そんな暦翔が好きになる相手なんてとても想像など出来なかった。
暦翔「さ、明日も早いし、僕は部屋に戻って寝るよ」
玄治「てめえ、絶対突き止めてやるからな!」
暦翔「そんな努力いらないよ、ワタル、おやすみ」
渉「うん、おやすみ」
そして暦翔は部屋へと帰っていった。
玄治は寝るまでの間、暦翔の相手を絶対に突き止めてやるとずっと口にしていた。
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