あなた、でもわたし。 8 「替えの死覇装取ってくるから、先に浸かってろ」 「あぁ」 嬉々とした表情を浮かべ、冬獅郎は湯船に浸かった 「…良いな」 俺の家にも作ろうかと思案していると、扉が開いた 「おっ!今日も良い眺めだな」 「っ*#$%&!?///」 声にならない驚きに雫は笑っていた 「やっと気づいたかよ。冬獅郎くん♪」 ニヤッと笑い、徐に冬獅郎に近づいた 「おまっ…お、女だったのかよ!!」 タオルは巻いていると言えど、豊かな胸の膨らみが見える 「誰も男だなんて言ってないだろ?」 騙された その言葉しか浮かばなかった 「良い湯だろ?」 ニコッと笑む姿を初めて見た 胸が高鳴ったのは気のせいだと言い聞かせた 「オレが乱菊に懐かれてる理由、知りたいか?」 不意に真剣な雫の声が聞こえた 「あ…あぁ」 あの寂しそうな雫の顔が頭から離れないから、理由は知りたかった [*前へ][次へ#] |