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HQ(other)
被害者は。 (passageシリーズより・赤葦)メイさまへ




「よしっ!罰ゲームつけようぜ!!!」


合宿も中盤に差し掛かり自主練も毎日同じ
では刺激がないと嘆いていた木兎さんが
いい事思いついたとばかりに自慢気に
発言したのがこれである。


「…は?」

「また何言い出すんですか。
そんなことするわけ…」

「おっいいねぇ!木兎それ乗った!!」

「日向が罰ゲームでしょ!」

「リエーフには絶対負けないからなっ!」

「「………」」


俺と月島が木兎さんに冷めた目を向けその
提案を切り捨てようとしていたところに
黒尾さん 灰羽 日向が乗り気で賛成した為
流れは罰ゲームありきになってしまった。


「木兎さん。罰ゲームは何するんですか?」

「…どうする黒尾?」

「お前が言い出したんだろーが!!」


日向からの質問を受けた木兎さんは質問を
そのまま黒尾さんに丸投げして怒られる。

罰ゲームを考えている人たちを他所に俺は
また面倒なことになったと顔に出して
いるとふと黒尾さんと視線がかち合い
ニヤリとした黒い笑みを浮かべている。


(…これは確実に嫌な予感がする…)


俺の予感は的中することとなった。


「じゃあ一番多くミスったヤツは練習
終了後気になってるマネに告って来るか」

「おおっ!!!」

「「ええぇっっ!?!?」

「「っ…!?!?」」


黒尾さんの案に目を輝かせている木兎さん。

不満の声を上げる日向と灰羽。

そして俺と月島は驚愕に目を見開いた。


「じゃあそれで決…」

「ちょっと待ってください。それでは
マネージャーの人が迷惑でしょう?」


木兎さんが決めてしまう前に口を挟ませて
もらい正論な理由を付けて異議を唱えるも
黒尾さんは俺の言葉を待っていたかのよう
に黒い笑みを絶やさず反論してくる。


「なんで迷惑だなんて決めつけんだよ。
もしかしたらそれで上手くいくかもしれ
ねーんだぞ?ある意味チャンスだろ」

「あかーし!黒尾の言う通りだぞ!!」

「くっ…」


木兎さんも黒尾さんに上手く丸め
こまれ完全に乗り気である。

俺がここまで嫌がるのには勿論理由が
あってこのメンバーで想いを寄せている
マネといえばただ1人しかいないからだ。


「…結果は見えてるのに告白って…」

「なにツッキー。負ける気なわけ?」

「そんなわけないでしょう。
さっさとやりますよ」


頼みの綱の月島でさえ黒尾さんの手玉に
取られてしまい俺の味方はいなくなり
名前が今この場に居なかったこと
が何よりの救いだった。




「…罰ゲームですか?」

「おう!だから全員のミスの数
チェックしといてくれ!」

「わかりました。
で、罰ゲームは何なんですか?」

「それは後でのお楽しみな」

「?」


遅れて名前も自主練に参加して
罰ゲームがあることを木兎さんから聞か
されるとその内容を聞くも黒尾さんが
意味深に笑いながら勿体つけて教えない。

俺の頭は今フル回転していてどうすれば
この罰ゲームを回避することができるのか
必死に考えている。

なぜならこの罰ゲームは名前が
ターゲットとなっているからだ。

黒尾さんの事だからそれを狙って敢えて
この罰ゲームを提案したことに俺と名前
への嫌がらせかと腹立たしく思う。


「それじゃあ始めるぞー。
練習後が楽しみだな」

『絶対負けねぇ(ません)!!!』

「「……」」


運命の時間が幕を開ける。








「名前…今いい?」

「ん?大丈夫だよ」


練習を終え粗方片付けを済ますと俺は
名前を体育館の外へ呼び出した。


「名前…好きだよ」

「っ…///!?…え…京治…なに急に…」

「合宿中名前不足だから
無性に言いたくなってさ」


唐突な俺の言葉に動揺し顔を紅く染めて
いる彼女がとても可愛らしく徐に頬へと
手を伸ばしゆっくり顔を近づけていく。


「悪い虫を近寄らせないように気を付けて」

「んっ…」


おでこに口唇を落とし優しく微笑むと
名前も恥ずかしがりながら
ではあったが返事を返してくれた。


「…私も…京治が大好きだよ///
ケガしないように練習頑張ってね」

「ありがとう」


今度は名前から頬へ口づけをもらい
2人で甘い雰囲気を楽しんでいると。


「ところで京治。今日の練習珍しく
ミスが多かったけど何かあったの?
それに罰ゲームって…」

「あぁ…罰ゲームはもう済んだよ。
それに俺にとっては罰ゲームじゃないし」

「?」


意味が分からないという表情をしている
名前にクスリと笑うと近くにいるで
あろう他の選手には聞こえないように顔を
近づけワザとミスしていたことを説明した。


「えぇっ!?そうだったの///!?!?
誰っそんなおかしな事考えたの!!」

「黒尾さんぐらいしかいないだろ?」

「それもそうかっ」


眉間にシワを寄せ不満気な顔に変わった
名前の様子に苦笑しながら話しを続ける。


「日向か灰羽になるのは目に見えてるし
この罰ゲームはさすがに可哀想だからね」

「ほんとだよ!それに言われるマネのコ
も“罰ゲームだから”なんて理由で告白され
ても複雑な気分になるだけだよっ?」


自分以外のマネを想って言っているのだ
ろうが今いる選手全員が名前に気がある
なんて当人は想像しているわけがないし
そこは絶対に知られたくはない。

まだ用事があるらしい名前と別れ体育館
に戻ると不満気な顔をした黒尾さんがいた。


「面白くねぇ。…お前ワザとミスったろ?」

「何のことです?」

「名前の照れてる顔かわいかったな!」

「「かわいかったですっ///!!」」

「…///」


4人はかなり満足してくれたようだが
黒尾さんはまだ俺に絡もうとしてくる。


「お前の苛ついた顔拝んでやろうと思って
たのによぉ。罰ゲームにもなんねぇし」

「俺たちだけの内容で罰ゲームをしていたら
素直に従いましたけど名前を巻き込むの
なら話は別ですよ。反抗させてもらいます」

「…名前と違って
ほんっと可愛くねぇよなお前」

「ありがとうございます。やられっ放し
は性に合わないものですから」


俺を嵌めようなんて考えは甘い。

頭の良い黒尾さんが相手でも名前が
絡むなら必ず俺はその上をいく。


「なぁなぁ!明日はどうするっ!?」

「そうだなぁ」

「…あんたらいい加減にして下さいよ?」


まだまだ俺の苦難は続きそうだ。




end



あとがき


メイさま。いつもレオのサイトへお越し
くださりありがとうございます!
嬉しい限りでございますっ!!

リクエストいただいた第三体育館組ですが
passage〜でイメージ出来たので書いて
みました。赤葦vs黒尾みたいになって
しまいましたがいかがでしょう…(汗)
無気力組の方は『緑』のイメージで
追々書いてみたいなと思っています。

ご意見・ご感想・変更希望等ありましたら
随時受け付けておりますので何なりと
お申し付け下さい(笑)

リクエストありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております☆




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