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HQ(long)@
8


side赤葦



名前から完成した資料が家に届き一通り
目を通し監督へ渡すと大絶賛していた。

監督とその資料をもとに打ち合わせし
全体ミーティングで資料を選手達に配ると
チームの課題や欠点の改善策を話し合った。

個々のデータや改善点は当人に配られ
選手同士が切磋琢磨しレベルを上げること
でチームの底上げを図って貰いたい。

名前のデータのもと練習を重ねる
に連れ各々がプレーに変化が出てきて
いるのが見て取れ嬉しく思った。

特に成長を見せているのは三浦で
直接名前からスパイクの指導を受け
そこから何か掴んだのか決定率が格段に
上がっている。


「三浦。トスの高さもう少し上げようか?
少し打ち辛そうに見えるけど」

「あっ全然大丈夫です!今インナーに打つ
練習しててさっきも無理やり狙ってたら
ネットに掛かったんで」


休憩中に三浦を呼んで話しをしていると
名前の話題へ移った。


「この前の試合で名前さんにブロック
アウトの打ち方を教えてもらってから
打つ幅が広がったというか迷いなく打ち
込めるようになったんすよね。
それに加えて俺の個人データを見せて
もらって自分なりに工夫してたんですけど」

「あいつの力は凄いだろ」

「ヤバいっすね。もっとあの人に
教えて貰いたいです俺」


名前の実力を肌で感じた三浦は彼女を
かなり慕っている様子でチームの為に
これからもっとエースとして成長して
貰うべく情報を与える。


「そんなお前に良い知らせだ。名前も
今度の合同合宿に参加するから全体練習後
の自主練に参加しろ。名前が監督から
お前を扱いてくれって頼まれたらしいぞ」

「えっ!?ホントですか!?!?
自主練一緒にします!
むしろ一緒にやらせて下さい!!」


苦笑しながら三浦に伝えると本人も嬉し
そうに意欲を見せ俺も自然と笑みが漏れた。

まだ一年だがこれだけ貪欲に上を目指して
いればどんどん上達するだろうし
木兎さん以上のエースになるのも時間の
問題かも知れない。

一緒にプレー出来るのは一年間もないが
これからが楽しみである。


「あと先に忠告しとくけど名前に
手出したらただじゃ済まないからな」

「…え…いや…絶対出しませんよ?
俺も命惜しいんで…お願いですからそんな
顔で見ないでもらえますかマジで!」


只でさえ敵が多いのにこれ以上増やさない
ように一瞬にして鋭い視線を向け釘を刺すと
三浦は慌てて首を上下に振っており
その様子を見てひと息吐くと腰を上げた。


「さぁ合宿までにコンビしっかり合わすぞ。
名前をガッカリさせないようにな」

「はい!!」


名前を失望させない為に
合宿で結果を残さなければならない。

その為には練習あるのみ。

2人揃って気合いを入れコートへ入って行く
姿を見てチームメイトは驚いていたが
後から同じように気合いを入れ
コートへ入って来る皆んなを眺めながら
自然と笑みが浮かんでいた。




side三浦



練習後尾長さんと合宿の話しになり
質問してみることにした。


「今度の合同合宿って烏野以外どこが
来るんすか?」

「神奈川の生川高校と埼玉の森然高校
あとは同じ東京の音駒高校…だな」

「…ん?何ですかその間」


音駒高校の名前が挙がると視線が遠く
なった尾長さんに疑問を覚え聞いてみた。


「…お前…合宿の時覚悟しとけよ。
赤葦さんの機嫌最高潮に悪くなるから…」

「は?」

「音駒に赤葦さんのライバルというか…
…まぁ行ったらすぐ分かる…」

「えっ?えっ?何で!?!?
てか教えてくれないんすか!?」


その後も尾長さんに詰め寄るも
口を割ることがなかった。

尾長さんの話しで楽しみだった合同合宿が
一気に不安になってしまったのだった。



end







あとがき


三浦くんいっぱい絡ませました(笑)
どんどん出してキャラを立たせていきたい…

ここまで読んで頂き
ありがとうございました☆



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あきゅろす。
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