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HQ(long)@
U-6.5 休憩中のひととき。


side赤葦



昼食後午後からのゲームに向けて少し
二人でミーティングを行ったあと
名前たっての希望でスパイク練習を
する為コートへ入った。


「観ていた感想ではお互いに迷いがあって
合わなかったように思うんだけど」

「んーそうなんだよね。だいたいこの辺り
ってトスの上げる位置は決まってたん
だけどタイミングの問題だなぁ…」


二人で話しながらトスの上げる位置の確認
を行いボールを名前に渡す。


「じゃあ俺がトス上げるタイミングで
さっきの位置に切り込んで来て」

「わかった。普通に助走とっていいの?」

「いつも通りでいいよ。俺が合わせるから」


半信半疑の名前が定位置に着き
俺にパスすると同時に中へ詰めてくる。

ジャンプトスを上げる瞬間入ってきた
名前の最高打点へピンポイントの
トスをもっていくとキレイに振り抜き
コートの中心付近にボールを叩きつけた。


「どう?」


呆然としながら自分の手のひらを見つめて
いる名前に得意気に声を掛けると
そのままの顔で俺に視線を合わせた。


「…すごい…ぴったり」

「名前のことは誰より分かってる
つもりだからね」

「ねぇもう一回上げて!」

「いいよ」


感覚を掴む為に名前にトスを上げ
ていると我慢出来なくなったのか
烏野の選手達がコートに入ってきた。


「名前!俺も混ぜろ!!」

「おっ俺も混ぜてください!!」

「名前先輩!俺も入れて下さい!」

「…俺も入ります」


上から西谷、日向、影山、月島の四人。

驚いていた名前だがすぐに
本気モードに入り俺に近寄ってきた。


「アタッカー私1人だとブロック
片寄るよね…どうしよう…」

「アタッカー増やそうか。…尾長入れる?」


俺たちの練習を見ていた尾長に声を掛ける
と快く参加してくれセンターポジションに
着き軽く足首を回したり腕を振っている。


「そっちはブロック練習ってことでいいの?
こっちは2人でスパイク打つからアタック
ラインぐらいに返球出来たら返して」

「俺はブロックフォロー入るからな!
お前ら3枚きっちり締めろよ!!」


西谷が後輩の前3人に気合いを入れ
構えをとると同時にプレーを開始させた。

初めはブロックにワザと当てたり
フェイントを混ぜ烏野の練習になるよう
プレーしていたが慣れてくると徐々に
ウチのスパイク練習へシフトしていく。

尾長のワンタッチをとられたスパイクから
俺のもとにチャンスボールが返ってくると
切り込んでくる名前が見えたので
そのままトスを上げ打ち切ってくれた。


「やった!京治今ノーマークだったよ!?
よく中入ったのわかったね!!」

「上げる瞬間に見えたからね」

「…なんなんすかその安定感のあるコンビ
は。さっき合わせたばかりですよね?」


尾長に訝し気に視線を向けられ質問される
も俺もいつもの表情でさらっと返す。


「まぁ俺と名前だから」

「ですよねー」

「…笑えないんですけど」


トス回しに翻弄され悔しそうにネット
越しに俺を軽く睨みながら月島が
文句を言ってきた。


「仕方ないよ。名前を誰よりも上手く
使いこなせるのは俺しかいないからね」

「…だから余計に腹が立つんですよ」


ボソッと言った月島の言葉が俺の耳に入り
俺たちの凄さを認めていることに
思わず口元がにやけてしまった。


「さぁラストワンプレーにしようか。
きっちりブロック締めなよ?」

「「くっ!?」」


月島と影山に挑発的な視線を向けると
イラッとした顔で2人が俺を見てくるので
その表情に満足し定位置に着いた。

最後のワンプレーも結局影山が名前に
ブロックアウトをとられて終了となり
4人が全員悔しそうにしている。


「赤葦さん!もっとやりたいです!!」

「今からゲームだよ日向。続きは合宿でね。
名前が来るかはわからないけど」

「名前さん参加するって言ってましたよ?」

「ホントに?」

「大丈夫みたいですよ。女子の方も名前さん
に任せっきりにならない様にレベルアップ
するからって言ってましたし」

「へぇそれは頼もしいね。名前も
心置きなく合宿に集中出来るわけだ」


合宿に名前が来られると聞いた
だけで俺のモチベーションが一気に上がり
また合宿が楽しくなりそうだ。

練習は終了しこれから始まるゲームに向け
お互いのチームに戻りアップを始めた。




side日向



先ほど赤葦さんに名前さんが合宿
に来ることは伝えたのだがもう一つの
ことを伝えていいものか迷っていた。


(今年も音駒はマネージャーが入ってなくて
合宿も去年みたいに名前さん
を借りる予定だって研磨が言ってたこと
赤葦さんに伝えておくべきだったかな…)


ひとり悶々と考え込んでいると影山から
声が掛かりプレーしているとすっかりその
事は頭から抜けてしまい忘れてしまった。


日向が伝え忘れていたことで
今年の合宿も当日から一波乱ありそうだ。




end



あとがき


休憩中に合同で練習するほど仲の良い
両チーム。
最後は合宿の予告みたいになってましたが
合宿と言えば猫のあの人が黙ってない
ですよね(笑)

それではここまでお付き合い頂き
ありがとうございました☆



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