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HQ(long)@
2


新入部員入部と同時に新しい顧問になった
監督の先生も遅れて体育館へやって来た。
凛子ちゃんの号令で集合し挨拶を行う。


「今日から女子バレー部の顧問になります
滝田 香です。
私も大学までバレーをしていて少しでも
みんなの力になれたらと思っています。
よろしくお願いしますね」

『よろしくお願いします!』


新戦力も加わりチームがどの様に変化する
のか今から楽しみで仕方がなく
チームの為に私の力を存分に発揮して
いこうと決意を新たにした。






「名前」


新入部員が入って日が経ったある日
休憩中に監督から呼ばれ話をした。


「このチームは名前がエースとして
引っ張っていかないといけないのは
自分でも分かっているわね?」

「はい」

「一年生も何人かレギュラーで使いたい
と思っているから凛子と二人で上手く
纏めてやってもらいたいんだけど
あなたは男バレのマネも掛け持ち
しているんでしょう?」


監督からチームが勝つ為に女バレだけに
専念して貰いたいとお願いされたのだが
これだけは私も譲れなかった。


「どちらかひとつを取れというなら私は
男バレのマネージャーをとります。
元々あっちが本業のようなものですし…」

「それは困るわ!このチームなら必ず
強くなって上を目指せる…だけどそれは
名前がいるのが前提なの。
どうしてそんなにあっちに拘るの?」


普通に考えたら監督と同じ事を誰もが
思うだろう。
だけど私はバレーに携われれば選手でも
マネでも構わないしむしろ
私の背中を押してくれた男バレのサポート
をしていたいという思いの方が強い。

私の気持ちを監督に伝えると渋々ながら
その場は折れてもらい
休憩も明けたので練習へと戻った。






side滝田



烏野高校に赴任してきて間も無く
女子バレー部の顧問が居なかったので
経験もある私が受け持つことになった。

大会では1.2回戦突破出来るかどうかの
レベルだから気楽にやれと言われ
顔合わせの為放課後体育館へ向かうと

先程までの軽い気持ちを一掃するような
衝撃的な光景が飛び込んできた。


「名前先輩ナイスキー!!」


名前と呼ばれたWSの選手が
男子さながらのジャンプ力を誇り
相手コートにスパイクを打ち付けている。

そのまま食い入る様にコートを見ていると
彼女はジャンプ力に加えスパイクの技術にも
長けておりレシーブやブロックの上手さも
群を抜いていた。

社会人や大学生でもこれ程の選手は見た
事がなく私の監督としてのモチベーション
が一気に上がっていく。

他の選手に目を向けると身長のある選手や
センスが光るセッター、リベロ。
かなりの粒揃いで磨けばどんどん上達して
全国でも闘えるチームに出来るだろう。

こんな面白そうなチームで監督が出来る
ことに感謝し強い決意を持って
選手たちの元へと足を進めた。



数日このチームを見てきて不思議な事が
起こっている。
チームの軸となる名前が1日置き
の練習参加となっているのだ。

キャプテンの凛子に話を聞くと男バレの
マネを兼務しているらしく
1日置きでしか来られないらしい。

周りの選手たちも納得してバレー部に入部
して貰っているので問題はないと言うのだが
チームを強化する上ではやはり毎日練習に
出て貰いたいし
1日休むと身体が鈍ってしまうという
懸念がある。

その事を名前と話していると
どちらかと言えば男バレの方が優先らしく
ひとつに絞るならそちらにすると言うのだ。

彼女抜きでは勝ち上がれないので
渋々折れたのだか納得はしない。

あの技術を選手として発揮しなくては
宝の持ち腐れだ。

何としてもこちらだけに集中出来る環境
作りが出来ないものかと暫く
悩むことになった。


問題は多いがこの子たちとチームが
どこまで伸びるか
今後のことを考えると大変ではあるが
期待の方が大きく選手と一緒に
私も成長していきたいと思う。




end


あとがき


主人公と監督の話は逆でもよかったかなぁ。
でも私なりに書きたいものは書けたので
良しとしましょう!

ここまで読んで頂きありがとうございました。次回もご覧頂けると幸せです☆



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