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HQ(long)@
shocking〜後日談〜1 (梟谷)

side赤葦




遠征から帰った翌日。

本日は朝練がなかった為ゆっくりした
朝を迎えて登校する。

昨日家に着いてすぐに名前に電話をかけ
改札口での事をとことん突き詰めた。

まさか名前からキスしてくれるなんて思い
もせず間違いなく俺は動揺していただろう。

あんな突拍子もないことをやってのける
彼女がまた可愛くて苛めたくなる。

俺も及川さんのこと言えなくなるかも…

一瞬過ぎった危ない思考を消し去り
電話越しの「おやすみ」と「大好き」を
聞いて気分良く眠りについた。



教室に着き椅子に腰掛けると同時に
携帯のバイブが鳴った。

木葉さんからのLINEでトーク画面を開くと
そこに貼り付けてあった画像を見た瞬間
椅子から慌てて立ち上がり3年の教室へ
駆け出していた。

教室にいた他の生徒は何事があったのかと
普段見せない俺の行動に驚いていた。


3年3組教室前。

勢い良く扉を開いた俺は木葉さんを
見つけると凄い形相で駆け寄る。

木葉さんもそれを見越していたのか
ニヤニヤした顔を俺に向けた。


「よう赤葦早かったな!
よく撮れてただろ?」

「おはようございます…よく撮れてた
じゃないでしょう!?何撮ってんですか!」


俺の眼は完全に据わっており語尾になるに
連れて怒りが篭ってきているのは仕方が
ないであろう。


「何ってお前らのキス写真。騒がしいバスの中だからって油断したな。木兎がうるさくて寝れねぇからたまたま前に座ってたんだよ」


よほど俺に余裕がなかったのか失敗した。

しかも部内でも一番面倒くさいこの人に
見つかるとは。


「これ。俺以外に送ってないですよね?」

「当たり前だろ?お前以外に送るわけ…」


木葉さんが俺の質問に同意しようとした
瞬間廊下から数名の足音が聞こえてきた。


「「「木葉ーー!これ何!?!?」」」

「「…………」」


携帯を持ったまま教室に飛び込んできた
先輩たち3人を視界にいれ
そのまま木葉さんへ冷たい視線を送ると
嘘がバレた気まずさから顔を背けた。


「あかーし!!俺の知らない所で名前となにやってんだ!!!」

「いやー赤葦のこんな顔はレアだねー」

「名前ちゃんの顔のがヤバくね?」

「めっちゃエロい!!」


そう。この写真には俺だけなら未だしも名前も一緒に写っている。

こんな色っぽい顔を他の男が見るなんて
許せる筈がない。


「…先輩方…一回しか言いませんからよく
聞いて下さい。さっさとその画像消さな
いとどうなるか分かってますよね」

「「「「………はい………」」」」


とびきりの黒い笑みを携えて
肯定しか許さないという視線を投げると
俺の威圧感に萎縮した先輩たちは
口元を引き攣らせながら素直に返事をした。

4人の携帯から画像が消えた事をその場で
確認し主犯である木葉さんとついでに3人
もまとめて説教し終え
満足した俺は自分の教室へ戻って行った。


自分の携帯に送信された画像はそのまま
保存しており名前の反応を楽しむ
為の道具として使わせてもらおう。

ある意味密かに木葉さんに感謝して
いた俺だった。




end



あとがき


遠征翌日に起きた珍事件です。
あかーしの脅しにより先輩たちは後にこの事を話すことは一切なかったとか…(笑)
この話はまだ続きが…

ここまで読んで頂きありがとう
ございましたした。
次回もお付き合い下さいませ☆


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