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HQ(long)@
blindly




side赤葦





「付き合って下さい!」

「ごめん。俺、好きな子いるから…」


今まで変えたことのない告白を断る為の理由。





「赤葦今日もコクられたって?
しかも相手は一年の美人!」

「モテる男は違うね〜!
羨ましいぞチクショウ!!」

「で!結果は!?」

「断りましたけど」

「「「はぁ!?!?」」」


キレイに揃って驚きの声を上げる先輩たち。

何故俺がその子と付き合うと思ったのか。


「何でだよ。もったいない!」

「てか赤葦好きなやつでもいんの?」


練習そっちのけでこんな話をしている先輩
達にため息を吐くもこれだけは譲れなくて
はっきりと答えた。


「好きな子いますよ。片思いですけど」


俺のその発言に先輩たちはまた盛り上が
ったがこれ以上相手にする訳にはいかず
さっさとコートへ入って行った。



好きな子はいる

小学校からずっと…

片思いとわかっていてもそれでも俺の中
の女の子はあの子しかいないんだ。


連絡も途絶えてしまっている。

だけど他の女の子に切り替えよう
とは全く思わなくて…

心のどこかでまた必ず逢えると信じていた。




奇跡が起こる。


音駒での合宿に彼女も偶然参加していたのだ。

昔と変わらない屈託のない笑顔と少し大人
びた表情にやっぱり好きだなと再認識した。


小さい頃からの想いを彼女にぶつけると
彼女も同じように想ってくれていて
俺の初恋は無事に実ったのだった。






遠征から帰った翌日。


「赤葦彼女出来たって!?
しかもすっげーかわいいらしいじゃん!!」

「どんなコ?写真ねーの!?
この学校のコか!?!?」


クラスには既に俺の話が回っている
ようで広まるのが速すぎて頭が痛い。


「何で知ってるんだ?」

「マジなのか!?いや
三年から回ってきたみたいだぞ?」

「…………」


噂好きのウチの先輩たちが
犯人で間違いないだろう。

まぁ話しが広まってくれたら告白
される数も減って楽にはなれる。

だか、俺で遊ぶのは面白くない。





放課後の部室にて。


「赤葦!クラスではお前の話しで持ちきりだぞ?」

「お前もようやく身を固めたしな」

「赤葦の人気が少しでも
俺たちに流れてこねぇかな〜」

「俺もあんなかわいい彼女欲しい!!」


相変わらず呑気な先輩たち。

僻みなのかただの暇つぶしなのか
俺にしつこく絡んでくる。


「先輩方。俺と名前のネタで遊ぶの
止めて貰えます?クラスでも周りが
煩くて仕方がないんですけど」


軽く注意を促してみるが
この人達が聞く耳を持つ訳がない。


「お前らっていつから知り合いなの?」

「俺も知りたい!彼女宮城だもんな」

「全部吐け!」


冗談じゃない。

俺達の思い出を簡単に話すわけがない。

その後もしつこく聞いてくる先輩達を無視
して部室から出ようとすると問題児の
あの人がとんでもないことを言い出した。


「なぁなぁ赤葦!名前の連絡先教えて!!
俺あのコと仲良くなりたい!!!」


流石の先輩達もこの発言には固まった。

今までの話しを聞いていて尚そんな言葉を
言うなんて俺にケンカ売っているのか。


「…木兎さん…あんた自分が
何言ってるか分かってます?」

「何って名前のこと気にいったからさ!
もっとお近づきになれたらなぁって」

「……名前が俺の彼女だって
分かってて言ってますか?」

「えーー!?!?そうなのか!?!?!?」


もう嫌だこの人。

俺は先輩達と一緒にヘコんでいる木兎さん
を部室に放置したまま体育館へと向かった。


(あー早く名前と話したい)


今日溜まったストレスを夜にまた彼女に
聞いて貰おうと決め練習に励む俺だった。



その後 後輩が呼びに行くまで部室でいじけてい
た木兎さんは体育館に来るなり監督に雷を落
とされ更にヘコんでいたのは余談である。




end


あとがき

赤葦さんはとにかくモテていてほしい。
告白を断るあかーしさんを書いてみたか
ったので…

ここまで読んで下さりありがとう
ございました☆

blindly=一途

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