[通常モード] [URL送信]

HQ(short)
hunting (赤葦)


「あかーし!!トーーース!!!!」


今日も木兎の元気過ぎる声が
蒸し暑い体育館に響き渡る。

選手達が大量の汗をかきながら体を動か
しているのと同時に私達マネージャーも
負けじと水分作りや選手のサポートに
駆けずり回っている。


「みんなお疲れ!水分補給しっかりして
倒れないようにね〜!!!」

休憩に入るとタオルとスクイズボトルを
他のマネたちと一緒に選手に配っていく。

「名前!!俺にもくれー!!!」

「木兎うるさい」


休憩中にも関わらず
疲れを微塵も感じさせないこの馬鹿…

失礼。

キャプテンである木兎光太郎は
ハイテンションのまま私に突っ込んできた。


「なぁ名前!!!
今日の俺のスパイクどうだった!?
キレッキレだっただろ!!!」

「あーそうですねーって木兎重い!
抱きつかないでよ!!!」


私の上でギャーギャー騒いでいる為
重たいわ煩いわで。

何とか引き剥がそうと試みるもこの馬鹿力
に敵うはずもなく目線で助けを求めた。


「木兎うるせぇ!」

「休憩中ぐらい休ませろ!」

「羨ましいぞこのヤロォ!」


一人おかしな発言が聞こえた
のはスルーしよう。

しかし周りの声を気にする様子
もなく私から剥がれない木兎。

どうしようかと頭を悩ましていた
時に天の助けが入った。


「いい加減にして下さい木兎さん。
早く名前さんから離れないと
今日はもうトス上げませんよ?」

「それはダメ!!ごめんなさい!!」

慌てて飛び退いた木兎に安堵のため息を吐いた私は助け出してくれた人物へ足を向けた。

彼は壁の方へ歩いて行きそのまま腰を降
ろすと私もそれに釣られ隣へ腰を降ろし
タオルとボトルを手渡した。


「赤葦助かった。ありがとう」

「いえ。木兎さんが名前さんに
抱きついたのをみて腹が立ったので」

「えっ?」



後輩からの思いもよらない言葉に硬直して
いる私に追い討ちを掛けるように
彼は自身の顔を私の耳元へと近づけてくる。

「俺以外の男に気安く触られないで下さ
いね。あまりに過ぎると嫉妬しますから」

「つっっ///!?!?」


言葉終わりに赤葦の柔らかい唇
が私の耳を掠め離れた。

私は驚くままに赤葦へ顔を向けると
なに食わぬ顔で水分を摂っている。


「赤葦っ!?…い…今の…!!」

「顔真っ赤ですよ?名前さん?」


ニヤリと横目で見られこの後輩に遊ばれて
いることを理解した私は
恥ずかしくなりその場から立ち上がった。

「もう!赤葦のバカ!」

そのまま去ろうとした私に赤葦が
声を掛けたため訝しげに振り向くと
妖しい笑みを向けられ私を射抜く。


「逃がしませんからね」


その時の彼の表情と言葉に私の心
が動かされたのは言うまでもなく。

後日。

私と赤葦が付き合い出した事を木兎に
報告するとウザいぐらい泣き叫び一段と
面倒くさくなった為
周りが放置に徹したことは余談である。



end





あとがき


後輩攻です。
黒あかーし大好きですvvv
もっともっと黒い彼を書きたい……

読んで下さった方ありがとうございます。
またお付き合い下さいませ☆

hunting=狩り


[次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!