nvl・L
俺の気持ち・2
蠍『…わかんね。』
分からない。
それがサソリの本心であった。
(……答えになっていないのは分かっている。
だが今はそれしか言えない。)
戸惑いながらもイタチを見る。
だがイタチはサソリの言葉をそのまま受け入れてくれた。
鼬『わからない…か。まあ、そうだろうな。』
蠍『ん…。でも、ただの後輩として見れてないことは、自覚している…。』
鼬『そうか。』
イタチの目を見ると、本人より心情を理解しているように思えた。
蠍『……俺、どーすりゃいいんだよ…。』
サソリらしくもなく項垂れた様子に、少なからずイタチは驚いてた。
今まで人と深く関わることがなかったサソリ。
それがどうだ。
ただ幼馴染みが後輩の家を知っていただけでこの動揺のしよう……
鼬(…まぁいい傾向と言えるだろうな。)
鼬『どうするも何も、自身の気持ちの整理もついてない以上、どうしようもないだろう。
今は、先輩として支えてやれ。
まぁ、すぐに答えに気付く。案ずるな。』
蠍『ちょ…。確かにそうだが…答えっつっても、アイツは男だぞ!?』
鼬『フフッ、そのセリフはもう答えが出ているとしか思えないが?』
蠍『……。』
サソリはまた黙り込む。顔が熱くなっているのが分かった。
時間は早々と過ぎ、イタチとテレビを見たり、仮眠をとったりと、バイトまでイタチの家に居座った。
あの後、デイの話は出なかったが、胸のつっかえが取れたような気がする。
時間になり、2人で部屋を出た。
『ありがとう。』
ふと、イタチに呟く。
『あぁ…。』
イタチはその言葉を静かに受け入れてくれた。
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